[出典] "Function and Immunogenicity of Gene-corrected iPSC-derived Hepatocyte-Like Cells in Restoring Low Density Lipoprotein Uptake in Homozygous Familial Hypercholesterolemia" Okada H, Nakanishi C [..] Yamagishi M, Kawashiri M. Sci Rep. 2019-03-18
概要
- 金沢大学の研究チームは今回、LDL(低密度リポタンパク質)受容体 (LDLR)の機能不全を伴うホモ接合型家族性高コレステロール血症 (homozygous familial hypercholesterolemia, HoFH)患者由来のiPS細胞において、CRISPR/Cas9 により病因変異遺伝子を修正し、肝細胞様細胞 (hepatocyte-like cells, HLCs)へと分化誘導し、HoFHの遺伝子治療の可能性を示した。
詳細
- LDLR 遺伝子の第6エクソンに病因点変異 (NM_000527.4:c.901 G > T)を帯びているHoFH患者末梢血から樹立したiPSCにおいて、CRISPR/Cas9によるHDRに続いてネオマイシン耐性遺伝子カセットをもとに選択した変異修正クローンからCreリコンビナーゼでカセットを切り出し (原論文Figure 1- (A)引用下図左参照)、ホモ型遺伝子修正HoFH-iPSCs (以下、ホモ型iPSCs)を帯びた1クローンとヘテロ型遺伝子修正HoFH-iPSCs (以下、ヘテロ型iPSCs)を帯びた2クローンを得た(原論文Figure 1- (B), (C)引用下図右参照)。
- ホモ型iPSCとヘテロ型iPSCからそれぞれ分化誘導したHLCsはいずれも、免疫蛍光染色解析において、LDL取り込みの回復を示し、加えて、細胞傷害アッセイにおいて、患者末梢血単核細胞に対してほとんど免疫原性を示さないことを確認した。
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