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(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/16)
  • Corresponding authors: Andrea C. Vaiana (MPI Biophysical Chemistry,); Daniel N. Wilson (U. Munich)
  • [背景] リボソームによってDNAから翻訳伸長するポリペプチドがフォールドしてタンパク質が生成される。翻訳伸長速度は均一ではなく、翻訳途上の新生鎖ポリペプチドが翻訳伸長を一時停止(翻訳アレスト)して下流を制御することがある。翻訳アレストを誘導するペプチドはアレストペプチドと呼ばれる。内在性アレストペプチドであるSecMはsecA の翻訳を制御する。アレストペプチドによる発現制御として最初に発見された現象は、抗生物質による細菌の抗生物質耐性遺伝子発現誘導であった。 
    [注] 本項は、“アレストペプチドを通してみえてきた,セントラルドグマを奏でる分子の自律性(伊藤維昭, 2015)”に準拠。
  • アレストペプチドの一種ErmBLペプチドは、マクロライド系抗生物質エリスロマイシンの存在下で、翻訳アレストを誘導しStreptococcus sanguis に薬剤耐性をもたらす。研究チームは今回、クライオ電顕により分解能 3.6 Åで再構成した翻訳アレスト状態のリボソーム構造(stalled ribosomal complex; SMC)をもとに分子動力学シミュレーションを実行し、ErmBLとエリスロマイシンが協働して、PTC(ペプチジル転位中心)におけるA-tRNAとP-tRNAの位置を変更することで、翻訳アレストを誘導する機構を詳らかにした(参考図参照)。
  • 39280001
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