- [論文] HIV-1プロウイルスがCRISPR/Cas9ゲノム編集に対する耐性を獲得する機構
- Corresponding author: Kristine E. Yoder (The Ohio State University Medical Center)
- CRISPR/Cas9によりヒト細胞のゲノムに入り込んだHIV-1プロウイルスのゲノムを切断することで、ウイルス産生量が減少する一方で、HIV-1はCRISPR/Cas9に対する耐性を獲得する。研究チームは今回、耐性獲得機構について新たな知見を得た。
- ヒトCD4陽性T細胞株SupT1において、ウイルス複製に必要なHIV-1 DNAゲノムの領域 (TATAボックス、TARエレメントおよびRevエレメント)を標的とするgRNAを利用してHIV-1 DNAゲノムを編集し、CRISPR/Cas9耐性を示したDNAをシーケンシング解析。
- 従来、CRISPR/Cas9耐性HIV-1株のgRNA標的領域において、逆転写酵素による塩基の置換が起きることが想定されていた。事実、逆転写酵素がHIV-1にCRISPR編集に対する耐性をもたらしていたが、多くのHIV-1がヒト宿主細胞のDNA二本鎖修復機構によって耐性を獲得していた。
- CRISPR/Cas9によってHIV-1プロウイルスを無力化するには、多重gRNAを利用してRNAステムループまたはタンパク質コーディング領域を標的とする戦略が必要である。
- [論文] CRISPRiシステムによる結核菌の必須遺伝子の機能解析
- Corresponding author: Robert N. Husson (Harvard Medical School)
- 結核菌 (Mycobacterium tuberculosis ) の増殖に干渉することなく表現型に影響を与えるレベルに遺伝子発現を阻害するようにベクター発現を調節するなどの最適化を施したCRISPRiによって、必須遺伝子を解析。
- 増殖阻害、低分子阻害剤に対する感受性の変化、ならびに細胞形態の異常に至る必須遺伝子発現阻害を実現。
- 使用したgRNAsに類似した配列を含む遺伝子発現実験ではオフターゲット作用は見られず。
- [論文] CRISPR/Cas9技術で穀物害虫ハスモンヨトウ (Spodoptera litura ) に遺伝性臭覚異常を誘導
- Corresponding author: Emmanuelle Jacquin-Joly (INRA)
- 鱗翅類のゲノム編集ツールはこれまで限られていたところ、今回、CRISPR/Cas9により害虫蛾のゲノム編集に成功した。
- CRSIRP/Cas9技術で嗅神経細胞中のOrcoファミリー受容体(Olfactory receptor co-receptor)の遺伝子ノックアウトを試み、89.6%にOrco 変異が発生し、その70%が次世代へと遺伝した。また、ホモ変異体は植物に対する臭覚を失うと共に、性フェロモン認識の不全を起こした。
- [論文] 多重な遺伝子変異導入または大規模ゲノム領域削除による疾患モデルマウス作出の可能性
- Corresponding author: 高田修治(国立成育医療研究センター)
- 性分化の機構解明を目的とする研究の一環として、雌の生殖腺にのみ発現するIrx3 とIrx5 を標的とするCRISPR/Cas9とsgRNAsを受精卵にマイクロインジェクションすることで、二重変異体マウスを作出。
- Irx3 とIrx5 は、8番染色体上に〜0.5Mbの間隔で位置しているが、当初意図していなかったことに、27匹の仔の中で6匹でその〜0.5Mbが欠損していた。
|CRISPR , 最終更新2022年PDISニュースウオッチ・アーカイブ
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