(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/21)
  • Corresponding author: 近藤昌夫(大阪大学)
  • クローディン(claudins; CLDNs)は、隣り合う上皮細胞の隙間をシールし(密着結合;タイトジャンクション;TJ)、上皮バリアを形成して細胞極性を維持する4回膜貫通タンパク質であり、27メンバーからなるファミリーを形成している。CLDNsの機能不全は発癌と炎症を含む病的状況と相関し、また、C型肝炎ウイルスの補助受容体となるメンバーも存在する。
39370001
  • 上皮バリアを制御することで薬剤を経皮投与する手法は古くから試みられてきたが、CLDNsが密着結合の主要な構成因子であり、また、小分子が通過するゲートが存在することが明らかになってきたことから、CLDNsが薬物吸収の標的分子として注目を集め始めた。
  • Clostridium perfringens エンテロトキシン (CPE)のC末端ペプチドC-CPEが細胞外ドメイン(ECD)に結合してCLDN-4を阻害し、低分子の吸収効率が著しく高まることが知られていた。そこで、この毒素に代わる抗-CLDNモノクローナルの開発が試行されるに至った。今回、CLDNsのECDに結合するモノクローナル抗体創出の最新の技術とモノクローナル抗体の薬物療法への応用をレビュー。
    • CLDNファミリメンバーに対する抗体創出法:合成ペプチドによる免疫;ファージディスプレイ法;ナノ粒子による免疫
    • 抗-CLDN抗体の治療への応用:C型肝炎ウイルスの阻害;抗がん剤;上皮バリア調節;再生医療における抗-CLDN-6による未分化細胞の除去
    • CLDNへのバインダーは、第1世代のClostridium perfringens エンテロトキシン (CPE)から第2世代のモノクローナル抗体へシフトしてきたが、今後の課題は、ヒトモノクローナル抗体と化学バインダーの開発にある。
  • [関連記事] (創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/06/16) souyaku_icon_32[PDIS]アラート:抗Claudin-1 ヒト/マウス・キメラ抗体の作出と機能解析