(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/24)
- Corresponding authors: Neil P. King; David Baker (U. Washington, Seattle)
- 自然は自己集合 (self-assembling)および共集合 (co-assembling)するタンパク質から多くの分子機械を構築している。正二十面体*)の (icosahedral)タンパク質が形作るケージ (cage)はその一例である。正二十面体ケージは、足場、酵素および生化学反応に必須のコンパートメントとして機能し、ウイルスのカプシド (capsid)を構成する。カプシドは、ウイルスゲノムを取り囲み保護し、宿主細胞への侵入を仲介する。
*) 正二十面体ウイルスrの準対称性解析(PDB今月の分子) - 研究チームはこの自然の分子機械に触発されて、正二十面体タンパク質をコンピュータ設計し (Rosetta)、3タイプの正二十面体10種類の結晶を作出し、その構造が設計モデルと良く一致することを実証した。
- 正二十面体は、2回、3回および5回対称軸を持っている(参考図参照)。3タイプとは、12個の五量体と20個の三量体をそれぞれ5回対称軸と3回対称軸に配置するタイプI53、12個の五量体と30個の二量体をそれぞれ5回対称軸と2回対称軸に配置するタイプI52、そして、20個の三量体と30個の二量体をそれぞれ3回対称軸と2回対称軸に配置するタイプI32である。
- 正二十面体タンパク質は、分子量と直径がそれぞれ1.8-2.8 メガダルトンと24-40 nmのナノケージを形成し、ウイルス・カプシド相当であった。
- クライオ電顕、X線X小角散乱(SAXS)およびX線結晶構造解析から明らかになったナノケージは、設計モデルによく一致していた。
- 互いに独立に精製した2種類のサブユニットからのin vitro でのナノケージ形成速度は、ウイルス・カプシド形成速度と同等の高速であった。また、電荷相補性静電相互作用を介して、suprecharged GFPのナノ構造への取り込みを実現した。
- このナノケージは、低分子、核酸、ポリマーおよびその他のタンパク質を取り込むことが可能であり、また、設計精度とモジュール構造の特徴を有することから、標的への薬剤送達、ワクチン設計およバイオ燃料の開発基盤として有望である。
正二十面体タンパク質設計の先行論文→Yang Hsia et al. “Design of a hyperstable 60-subunit protein icosahedron.” Nature. 2016 Jul 7;535(7610):136-9.
構造→5IM5: Crystal structure of designed two-component self-assembling icosahedral cage I53-40(分解能 3.7 Å)

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