(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/31)
- Corresponding author: Hannes Neuweiler (Julius-Maximilians-University Würzburg)
- Hsp90分子は多くの多様なタンパク質のフォールディングを助け、タンパク質の恒常性を維持する要のシャペロンである。結晶構造解析によって、Hsp90がATP結合と共に閉じATP加水分解と共に開く(参考図参照)分子クランプとして動作することが明らかにされている。
- 研究チームは今回、光誘起電子移動 (photoinduced electron transfer, PET)に基づいたナノメーター領域の局所的構造変化を追跡可能とする蛍光プローブを酵母Hsp90に組み込み、蛍光相関分光法(fluorescence correlation spectroscopy: FCS)も利用して、ATP結合に依存したHsp90内部のコンフォメーション変化を解析し、Hsp90のシャペロン作用サイクルのモデルを提示した。
- ATPが結合していないHsp90は、開いたクランプ状態にあるが、蓋(lid)とN末端ドメイン(NTD)のβストランドはサブミリ秒でコンフォメーションを変化させる可動性の高いエレメントである。
- ATPがNTDに結合すると、アロステリックに蓋が中間的なコンフォメーションへと変化する。シャペロン補助因子(co-chaperon)Aha1がNTDと中央部のドメイン(middle domain: MD)と相互作用すると共に、蓋をさらにリモデルして、Hsp90を閉構造へと誘導する。
- Hsp90は、コンフォメーション・スイッチの協働作用によって閉じる:蓋によるATP結合ポケットのカバー、NTDのβストランドのスワップおよびNTDとMDの会合がゆっくりと独立に進行。
- Hsp90は、ATPの加水分解と共にADPが結合したコンパクトなコンフォメーションヘを取り、開いた状態へと変化してADPと無機リン酸を放出し、Hsp90は次のサイクルに備える。

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