(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/08/02)
  • Corresponding author: Andreas Peschel (University of Tübingen)
  • 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureusはヒトの皮膚や毛孔、特に鼻腔内に常在する菌であるが、感染症や毒素性疾患の原因菌でもある。研究チームは今回、鼻腔内で黄色ブドウ球菌と共存するStaphylococcus lugdunesis が新規のチアゾリジン含有環状ペプチド抗生物質を産生することを見出し、これをlugduninと命名した。
  • Lugduninは主要な病原菌に対して有効であり、また、その多剤耐性が問題になっている黄色ブドウ球菌に耐性を誘導しなかった。これは、ヒト鼻腔内のS. lugdunesis の存在下でS. aureus が低減する報告と整合する。
  • 皮膚や上気道は外気にさらされて栄養素が乏しい環境ニッチであり、コロニーを形成するバイクテリアは競合関係にあり、lugdunin産生はその生存戦略の一つと考えられる。ヒト微生物叢由来の抗生物質としてlugdunin以外にも膣メタゲノムからは新規抗生物質lactocillinが発見されており、ヒト微生物叢は土壌と同様に抗生物質の有力 生産地と考えられる。