(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/24)CRISPR関連文献メモ_2016/01/24
  • Corresponding author:真下知士(阪大/京大)
  • [3つの要素技術を開発]
    • poly(A)化:Cas9発現プラスミドにポリアデニン鎖を接合することで、ラット受精卵におけるCas9の発現を向上
    • lsODNの開発:これまでになく長い一本鎖オリゴ(lsODN)合成を実現
    • 2H2OP(two-hit by gRNA and two oligos with a targeting plasmid):ラットDNAの2カ所を標的とするsgRNA2種類と、2カ所切断のHDRに利用する2種類の短い一本鎖オリゴ(ssODN)の組合わせ
  • [受精卵ゲノム編集の成果]
    • Cas9 mRNA、gRNAならびにssODN(1-kb)を注入して、ラットのThy1 遺伝子座にGFPをノックイン(1-hit 1-oligo: 1H1O)
    • 2種類のgRNAと2本のssODN(80-bp)を利用して、CAG-GFP配列(5.5-kbp)のベクターをラットのRosa26 遺伝子座にノックイン(2H2O)
    • ヒトSIRPA 遺伝子を含むBACプラスミド(〜200-kbp)のノックインとそれに付随したラットSirpa 遺伝子のノックアウト(2H2O)
    • 2H2Oを改変した3H2Oによって、ヒトのCYP2D6 遺伝子(6.2-kbp)のオーソログが存在すると思われるラットCyp2d1-5 遺伝子クラスター(58-kb)をCYP2D6 遺伝子に置換.ここで3H2Oは、Cyp2d1-5 遺伝子クラスターの上流と下流およびCYP2D6 遺伝子を含むプラスミドを標的とする3種類のgRNAsと、2本のssODN(120-bp)を意味.
  • 本手法は、これまでのHDRを利用するこれまでのノックイン法と異なり、相同アームを用意することなく、任意のベクターを任意の標的サイトにノックイン可能