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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

1. 細胞のDNAバーコーディングをクローンの系譜解析に加えて、クローンの分離解析にも活用するB-GLI法
[出典] "DNA barcode-guided lentiviral CRISPRa tool to trace and isolate individual clonal lineages in heterogeneous cancer cell populations" Akimov Y, Bulanova DR, Abyzova M, Wennerberg K, Aittokallio T. bioRxiv 2019-04-29.
  • University of Helsinkiの研究グループは、精密な細胞系譜解析を可能とした細胞のDNAバーコーディングを、特定のサブクローンの分離にも利用するDNA Barcode-Guided Lineage isolation (B-GLI)法を開発し、その性能を、膵臓癌サンプルからの稀なフェノタイプを帯びたサブクローン (全細胞集団の~0.1%)の追跡・分離・解析を実現することで、実証した。
  • サブクローンの分離は薬剤耐性遺伝子の発現により実現した:特定のサブクローンのDNAバーコードを標的とするsgRNAを組み込んだCRISPRa (dCas9-VPR)により、不活性の状態にあったmCMVプロモーターを活性化して、ピューロマイシン耐性遺伝子を発現させる。
2. サブタイプVI-B CRISPR-Casシステムは、内在する補助因子Csx27タンパク質を介して、獲得免疫応答を超える想定外の生物機能と関連している
[出典] "Unexpected connections between type VI-B CRISPR-Cas systems, bacterial natural competence, ubiquitin signaling network and DNA modification through a distinct family of membrane proteins" Makarova KS, Gao L, Zhang F,  Koonin EV. FEMS Microbiol Lett. 2019-04-25.
  • Csx27もコードするVI-B遺伝子座をE. coliで発現させるとCas13bの活性が抑制される。KooninとZhangらの研究チームは今回、 Csx27の構造と機能を詳細に解析し、Csx27が4回膜貫通タンパク質であり、自然形質転換 (natural competence)、ユビキチンシグナリングシステムの因子でありマルチドメインタンパク質、および、リガンド結合WYLドメインとヘリックスターンヘリックスを帯びたタンパク質のコンポーネントを含むオペロンにコードされていることを同定し、VI CRISPR-Casシステム独特のDNA取り込みと分解の機構が存在することを示唆した。
3. [レビュー] 哺乳類細胞のゲノムワイドCRISPR-Cas9スクリーニング
[出典] REVIEW "Genome-wide CRISPR-Cas9 Screening in Mammalian Cells" Yo JSL, Yusa K . Methods 2019-04-26.
  • Sanger研究所でCRISPR技術を駆使してきた研究者によるノウハウも含めたレビュー
4. 畳み込みニューラルネットワーク・モデルによりCRISPR/Cas9システムにおけるsgRNAの活性を予測するDeepSgRNAを開発
[出典] "Convolution neural network model for predicting single guide RNA efficiency in CRISPR/Cas9 system" Shrawgi H, Sisodia DS. Chemometr Intell Lab Syst. 2019-04-25.
  • 畳み込みニューラルネットワーク (Convolutional neural network, CNN)をGenomeCRISPR projectデータセットに由来するsgRNAs配列400,000例で学習させ、既存の予測プログラムに優る性能を達成 (crisp_bio注: 本稿は論文本文は閲覧するに至らず、アブストラクトからの情報だけに依存しています)
5. [レビュー] CRISPRから生まれた3つのC:Collateral, Communicate, Cooperate
[出典] REVIEW "Three New Cs for CRISPR: Collateral, Communicate, Cooperate" Varble A, Marraffini LA. Trends Genet. 2019-04-26.

 CRISPRアレイに'記憶されている'スペーサから転写・成熟したcrRNAが標的とする部位を特異的に切断するCRISPR-CasのCに続く新たなC3種類を対象とするレビュー:
6. ロシアのデュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD)患者で新たに同定されたDMD遺伝子の大規模な欠損 (430 kb: エクソン 8- 34)を再現するマウスモデルをCRISPR/Cas9で作出
[出典] "CRISPR/Cas9-generated mouse model of Duchenne muscular dystrophy recapitulating a newly identified large 430 kb deletion in the human DMD gene" Egorova TV [..] Deykin AV. Dis Model Mech. 2019-04-25
  • マウスDmd遺伝子のエクソン8-34をCRISPR/Cas9で欠損させることで作出したこのモデルは、mdxマウスと同様の病態を示す。
  • このモデルは、N末端領域のアクチン結合ドメイン (actin-binding domain, ABDをコードするエクソン・スキッピングによるDMD遺伝子治療の評価、およびABDとそれに続く桿状部分 (rod domain)の生物機能の解析に有用である。
7. ゲノムワイドCRISPR KOスクリーンからNCAPGを肝細胞癌増殖の必須オンコジーンと同定
[出典] "Genome-wide CRISPR knockout screens identify NCAPG as an essential oncogene for hepatocellular carcinoma tumor growth" Wang Y [..] Hui KM. FASEB J. 2019-04-25.  
  • NCAPGは複数のHCC遺伝子発現データセットで最も高発現している遺伝子であるが、今回、肝細胞癌 (HCC)初代細胞の増殖スクリーンからの治療標的候補遺伝子13種類のトップヒットであり、また、RNAiによるNCAPGノックダウンがHCCの増殖と遊走が顕著に抑制されることを同定した。
8. ヒト概日リズム研究用マウス作出
[出典] "Generation of human CRY1 and CRY2 knockout cells using duplex CRISPR/Cas9 technology" Kramer A [..] Gabriel C. Font Physiol. Accepted 2019-04-24.
  • エクソンの両側のイントロン領域を標的とする一対のsgRNAsを使用して、U-2 OS細胞株のCRY1CRY2、または、CRY1/CRy2のノックアウトを実現し、従来のモデルマウスと同様に、それぞれ、短周期、長周期、無周期が誘導されることを同定
9. ジェミニウイルス(African cassava mosaic virus, ACMV)を標的とするCRISPR/Cas9は、キャサバにウイルス耐性をもたらすに至らず、取扱注意
[出典] "Linking CRISPR-Cas9 interference in cassava to the evolution of editing-resistant geminiviruses" Mehta D [..] Vanderschuren H. Genome Biol. 2019-04-25.
  • ACMVの AC2遺伝子とAC3遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9に対して、遺伝子編集を受けたACMVの33~48%に、CRISPR/Cas9を回避可能とする一塩基変異が発生;CRISPR/Cas9のフィールドへの展開には十分な検証が必要
10. [レビュー] 植物研究に多目的・多面的CRISPR/Cas9遺伝子編集ツール
[出典] REVIEW "Versatile and multifaceted CRISPR/Cas gene editing tool for plant research" Pandey PK [..] Datla R. Semin Cell Dev Biol. 2019-04-24.
  • CRISPR/Cas9技術の一般的なレビューに続いて、作物の改変 (収量と品質の改良、作物へのストレス耐性付与、代謝工学による有用物質生産)、遺伝子機能解析、ゲノムワイド遺伝子スクリーン、をレビュー
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