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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/17)
  1. [論文] Lance Array Nanoijnection: CRISPR/Cas9の新たな送達法
    • Corresponding author: Sandra Hope (Brigham Young University)
    • 40890001
    • シリコンを微細加工したLance Array Nanoijnection (LAN)は、参考図にあるように、ナノスケールのlance(槍)のアレイを数十万の細胞に同時に突き刺し、分子を細胞へ電気的に送達する。ウイルスによる導入や化学的送達あるいはマイクロインジェクションやエレクトロポレーションによる送達のそれぞれの弱点を克服するCRISPR/Cas9の送達法としてLANを評価した。
      • HeLa細胞において恒常的に発現させたGFPのNHEJ修復機構によるノックアウト効率を指標として評価。
      • CRISPR/Cas9のプラスミドをLANアレイに誘導する実験条件を変えて最適条件を探った:電流(1.5, 4.5または6.0 mA)と細胞へのインジェクションの回数(1回または3回)
      • 4.5 mAの電流でインジェクションを3回繰り返すことで、93.77%の効率を達成した。効率の回数依存性は非線形であった(インジェクションを3回繰り返すことで効率は12倍に)。
  2. [論文] iCas9: 化学スイッチでその活性を可逆的かつ高速にオンオフ可能にしたCas9
    • Corresponding author: Meng How Tan (Genome Inst. Singapore/Nanyang Technological U.)
    • エストロゲン受容体(ERT2)と選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)を組合わせてCreリコンビナーゼの活性を調節する手法を、Cas9によるゲノム編集に最適化し、iCasを開発した。
      • iCasは、Cas9の両側にそれぞれエストロゲン受容体(ERT2)のホルモン結合ドメインを2個結合した構成であり、SERMの一種である4‐ヒドロキシタモキシフェン4-hydroxytamoxifen, 4-HT)によって、そのエンドヌクレアーゼ活性のオンオフを可能に。
      • iCasは、4-HT非存在下では低活性であり、4-HT存在下では多重な遺伝子座に対して高い編集効率を示した。また、オフターゲット作用を低減する4-HTの量と存在時間も解析。
      • iCasシステムは、Tet発現誘導システムより反応が高速であり、インテイン-Cas9(ニュースウオッチ 2015/04/11)あるいは分割Cas9のシステム(ニュースウオッチ: 2015/02/042016/09/12)よりも遺伝子編集効率が高かった。
      • HEK293細胞において、4-HTの有無によってiCasタンパク質の局在が細胞核または細胞質に偏ることを確認し、iCasとsgRNAの送達と4-HTの投与-iCasの細胞核からの流出を繰り返すことで、iCasが可逆的にオンオフできることを実証。
      • 今後、4-HTを光ケージド化することで、ゲノム編集の時空間制御が可能になる。
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