crisp_bio

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crisp_bio2019-05-21修正: (*1)と(*2)のリンク先が入れ違っていたところを修正しました
[出典] "CRISPR adenine and cytosine base editors with reduced RNA off-target activities" Grünewald J [..]  Joung JK. bioRxiv 2019-05-09 > Nat Biotechnol 2019-09-02 "CRISPR DNA base editors with reduced RNA off-target and self-editing activities."

 ABEを開発したD. L. Liuが率いる研究グループは、ABEのRNAオフターゲット編集に関する論文を5月8日にScience Advancesに発表した (*1)。一方で、J. K. Joungが率いる研究グループは、4月にABEの強化版ABEmasとCBEが無差別な(gRNAに依存しない)RNA編集をヒト細胞において引き起こすことをNature誌に発表 (*2)していたところ、 5月に、RNA編集を抑制したSECURE-ABEを5月9日にbioRxivに投稿した。
 SECUREは "SElective Curbing of Unwanted RNA Editing"に由来する。4月のNature論文では、オンターゲットのDNA塩基編集の活性を維持しつつDNAとRNAのオフターゲット編集を、BE3から顕著に抑制したSECURE-CBEが示されていた。
 Joungグループは今回、ABEmaxに組み込まれているE. coli由来のアデニンデアミナーゼTadAを構造情報に基づいて改変することで、オンターゲットのDNA塩基置換の活性は維持しつつオフターゲットのRNA編集を低減したSECURE-ABEを作出した。また、この改変はSECURE-ABEの大きさをSpCas9を基にしたBEの中で最小とする効果ももたらした。
  • ABEmaxには野生型TadAとDNAのアデニンを脱アミノ化するように改変したTadAが組み込まれているが、野生型TadAはtRNAのアデニンを脱アミノ化し、かつ、ABEmaxが編集したRNAのモチーフがtRNAの脱アミノ化のモチーフと一致したことから、研究グループは初めに野生型TadAを削除したminiABEmaxを作出・評価した上で、さらに、miniABEmaxの改変を試みた。
  • E. coli TadAの構造が得られていなかったため、構造の相同性が高いS. aureusのTadAとtRNAの共結晶の構造において、tRNAの結合ポケット近傍の31アミノ酸を特定し、そのうち、正電荷を帯びたアミノ酸R13、K20およびR21を標的とした34種類のminiABEmaxを作出し、HEK293T細胞にて、DNAオンターゲット塩基置換とオフターゲットRNA塩基置換を評価した。
  • その上で、DNA/RNAの編集比率が高い2種類のminiABEmax変異体 (K20A/R21AV82G)を選択し、HEK293細胞でのRNA-seq解析からオフターゲットRNA編集がバックグラウンドの数十倍からそれぞれ4倍と3倍にまで抑制されることを見出した。
 研究グループはCBEのRNA編集についても再度検討を加えた。APOBEC1以外のシチジンデアミナーゼの効用を評価し、ヒトAPOBEC3A (hA3A)シチジンデミアミナーゼを組み込んだCBEが高頻度で顕著なトランスクリプトーム・ワイドでのRNA塩基編集を誘導することを見出した。一方で、Joungグループが2018年にNature Biotechnology誌に発表していたhA3Aを改変したeA3A (*3)を組み込んだCBEと、ヒト活性化誘導シチジンデアミナーゼ (hAID)を組み込んだCBEでは、RNA編集がバックグランド・レベルまで抑制されることを見出した。

 [* 引用crisp_bio記事]
  1. 2019-05-11  ABEの細胞内RNA編集の解析と抑制 
  2. 2019-04-19 塩基編集ツールCBE (rAPOBEC1)とABEは、DNAを編集する間に、RNAも編集する
  3. CRISPRメモ_2018/07/31 2. バイスタンダー活性とオフターゲット活性を最小限にとどめたAPOBEC3A-Cas9による1塩基編集(BE)
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