(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/25)
- Author: Robert Tycko (National Inst. Diabetes and Digestive and Kidney Diseases, NIH)
- Aβ線維は不溶性かつ非晶質なためこれまで構造決定が困難であったが、2016年、Colvinら(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/29)とWältiら(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/07/30)の2研究チームが共に固体NMR法に拠ってAβ42線維の構造を明らかにした。
- 固体NMR法は、試料の可溶性あるいは結晶性を必要としないが、Aβ42のほぼ半分が疎水性であり、調整条件のわずかな違いに依存する構造多形性を示すため、固体NMR法に必要な構造的に一様なミリグラム・スケールの試料調整も困難であった。
- 2研究チームはそれぞれに試料調整法を工夫し、異なる条件で得た結晶を解析したが、得られた構造はほとんど一致していた。また、2015年にXiaoらが明らかにした構造とも整合し(参考図参照)、これで信頼性の高いAβ42線維の構造が明らかになったと考えられる。
- 今回得られたAβ42線維の構造と、同じく固体NMR法で解かれていたAβ40線維の構造との比較から、両者の凝集性の差異やAβ42とAβ40の交雑が起こらない構造基盤の理解が深まり、Aβ40とAβ42を特異的に認識・結合する低分子の開発も視野に入ってきた。
- 両者の成果はin vitro で得られたものであるが、Wältiらは、脳組織のAβ凝集体を認識する抗体パネルが、今回調整したAβ42凝集体に結合することを見出している。

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