crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/09/25)
  • Corresponding author: 浜地 格(京都大学)
  • リガンド依存性イオンチャネル(LGICs)の一種であるGABAA受容体(GABAAR、参考図1参照)にはリガンド結合のオルソステリック部位とアロステリック部位が多数存在し、その活性がアロステリックに制御されることが知られている。研究チームは今回、リガンド指向型アシルイミダゾール(LDAI)化学の手法と、2分子蛍光消光回復法(bimolecular fluorescence quenching and recovery, BFQR)を組み合わせて、GABAARをバイオセンサー化することで、GABAARを標的とする化合物スクリーンを実現した(参考図2参照)。
41140001  41140002
  • ベンゾジアゼピン結合部位をLDAI化学で標識したGABAARを用いて1,280種類の薬理活性化合物ライブラリー(LOPAC®1280)をスクリーンし、GABAARに作用する既知低分子2種類と新規低分子2種類を同定した。
    • 既知化合物はフルマゼニルイソリクイリチゲニンであり、いずれもベンゾジアゼピン結合部位と結合(参考図3-a)
    • 41140003
    • 新規化合物は4,4′,4″-(4-propyl-[1H]-pyrazole-1,3,5-triyl)trisphenol (PPT)と4,5,6,7-tetrabromo-2-azabenzimidazole (TBB)であり、アロステリック部位に結合しGABAARのコンフォメーションを変化させ、GABAARへのGABA(γ-アミノ酪酸)結合が誘起する塩素イオンの流れを抑制するアロステリック制御因子(allosteric modulator)であった(参考図3-b)。PPTは特に、塩素イオンの流れをほぼ完全に阻害した。
  • サブユニットと生理機能が異なるGABAARが数種類存在することから選択的に作用する薬剤が必要とされている。それぞれをバイオセンサー化することで、詳細な構造情報が存在しない場合でも、オルソステリック作用あるいはアロステリック作用により選択的に制御する低分子をハイスループットでスクリーンすることが可能である。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット