1. SpyCas9のオフスイッチに、ファージ・コートタンパク質G8Pのペリプラズム・ドメイン (G8PPD)加わる
[出典] "Precision Genome Editing Using Bacteriophage-derived Peptides" Cui Y, Wang S [..] Ma P, Liu J. bioRxiv 2019-05-20.
- 上海科技大学を主とする中国研究グループは、in vitroで、M13バクテリオファージおよびその
G8PPDが、SpyCas9の活性を阻害することを見出した (投稿Figure 1引用左下図参照)。
- 続いて、ヒト細胞株において、G8PPDを適時送達することで、SpyCas9のオンターゲット編集活性を損なうことなくオフターゲット編集を抑制することが可能であることを示した (投稿Figure 6-D参照)。
- G8PPDは、Acrs (anti-CRISPR proteins)や低分子に優るSpyCas9のオフスイッチとして有用である。
2. CRISPR/Cas9による血友病A (HA)患者由来iPSCにおける血液凝固第VIII因子修復
[出典] "Universal Correction of Blood Coagulation Factor VIII in Patient-Derived Induced Pluripotent Stem Cells Using CRISPR/Cas9" Park CY [..] Kim DW. Stem Cell Reports 2019-05-16.
- HAはX連鎖血液凝固第VIII因子 (FVIII遺伝子)に見られる欠失、挿入、逆位、点変異など2,000種類を超える変異が病因とされている。延世大学校医科大学の研究グループは今回、個々の変異の修復に替えて、CRISPR/Cas9によってヒトのセーフハーバー部位であるH11遺伝子座にFVIII遺伝子をノックインすることで、FVIII mRNAの発現をHA患者由来iPSCs集団の~60%で実現し、さらに、修復iPSCsから分化した内皮細胞において機能性血液凝固第VIII因子が分泌されることを確認した。オフターゲット変異は見られなかった。
3. Cas9/eCas9/Cas9-HF1/HypaCas9/Sniper-Cas9に、標準/伸長/短縮 gRNAとの組み合わせについて、DNA切断のチェックポイントと位置付けられているDNA巻き戻しの効率を、smFRETで評価
[出典] "Single molecule analysis of effects of non-canonical guide RNAs and specificity-enhancing mutations on Cas9-induced DNA unwinding" Okafor IC, Singh D, Wang Y [..] Ha T. bioRxiv 2019-05-20.
リツイート済み
- 標準gRNA (X20)と組み合わせた場合、高精度化を目指したCas9変異体は、いずれも野生型Cas9よりも高い標的選択性 (less promiscuous )を示した。その中で、Cas9-HF1とeCas9は高い選択性とオンターゲットでの活性のバランスが取れていた。
- 標準gRNAにグアニンを付加したgX20またはggX20と組み合わせた場合 は、Sniper1-Cas9が最も高い選択性とオンターゲットでの高い活性を示した。標準から短縮したgRNA (X18/X17)と組み合わせた場合は、一般に巻き戻しが縮減した。
参考crisp_bio記事
- [Cas9-HF1] 2017-06-15 SpCas9-HF1:ゲノム編集の精度をさらに向上させるハイファイ (high-fidelity)CRISPR/Cas9
- [eCas9] 2017-06-14 CRISPR関連文献メモ_2015/12/02 [第1項] eSpCas9: Cas9/sgRBA/標的DNA三者複合体の構造に基づいて、オフターゲット編集を検出限界以下まで抑制するCas9変異体を作出
- [Sniper-Cas9] 2018-08-08 ランダム変異導入から高精度・高活性なCas9変異体を開発 [第2項] 指向性進化法 (directed evolution)によりCRISPR-Cas9の精度を高めた"Sniper-Cas9"を開発
- [HypaCas9] CRISPRメモ_2018/06/08 [第1項目] レポータCas9変異体 (HypaCas9)とその利用法
- 2019-05-09 高精度Cas9を高精度たらしめる分子機構
4. CRISPR技術によるCFTR修復をブタ細胞で検証
[出典] "In vitro validation of a CRISPR-mediated CFTR correction strategy for preclinical translation in pigs" Zhou ZP [..] Hu J. Hum Gene Ther 2019-05-17.
- Hospital For Sick ChildrenとUniversity of Torontoのカナダ研究グループが、CRISPR/Cas9によるCFTRを標的とする嚢胞性線維症 (CF)遺伝子治療の可能性をブタモデルで検証した。はじめに、CRISPR/Cas9とドナー・テンプレート (6 kb Laczまた8.7 kbヒトCFTRを発現するカセット)をブタ培養細胞へ送達するヘルパー依存型アデノウイルスベクター (HD-Ad)を作出した。
- HD-Adを利用し、HDR過程を介して、LaczまたはCFTRをセーフハーバー部位GGTA1にノックインし、それらの発現が継続することを確認した。また、CFTR欠失細胞株を作出し、その修復 (hCFTR mRNAとタンパク質の発現)を実現した。
5. CRISPRiによるカイコ内在遺伝子の転写抑制効率を評価
[出典] "Transcriptional repression of endogenous genes in BmE cells using CRISPRi system" Wang X [..] Xia Q. Insect Biochem Mol Biol 2019-05-16.
- 西南大学の研究チームが、dCas9に転写抑制因子 (KRAB, Hairy, SID, SRDXまたはERD)を融合したCRISPRiが効果的に転写を抑制し、その効率が、転写開始点 (TSS)とsgRNAの間隔と、dCas9:sgRNAの比率に依存することを報告。


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