[出典] "A movie monster evolves, fed by fear" Dominy NJ,Calsbeek R. Science 2019-05-31.
ゴジラ映画は1954年に誕生し、日本では65周年にあたる2019年、ワーナー・ブラザーズによって35番目のゴジラ映画が公開された。アイコンは時代を映す鏡であるが、これほど長寿なアイコンは、極めて稀であり、この事実自体が、研究者を惹きつける。米国Dartmouth CollegeのNathaniel J. DominyとRyan Calsbeekがマイケル・ドハティ監督の映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の評をScience誌に投稿した。
Susan Sontagは1965年に発表した"The imagination of disaster"の論説の中で、ゴジラの成功を破壊の美学に帰し、文化史の専門家William Tsutsuiは"GODZILLA ON MY MIND Fifty Years of the King of Monsters"にて、長く続くゴジラの成功を、反核の寓話から、人類の愚行と自然環境の軽視の寓話への進化に帰した。
まさに'はじめに光ありき'、ゴジラの物語は米国が1954年3月にマーシャル群島のビキニ環礁で行なった熱核兵器実験"Castle Bravo"に始まる。Bravoは数百マイルびおよぶ範囲に"死の灰"を飛散させ、マグロ漁船第5福竜丸の乗員23名に急性放射線障害を、日本の築地市場に"原爆マグロ"をもたらし、日本に反核平和運動が広がり、また、反米感情が強まるに至った。こうした空気の中、ゴジラ映画第1作が製作され1954年10月から11月にかけて日本各地で公開された。
ゴジラ (Gojira)は、日本語のゴリラとクジラから合成されたportmanteau wordであり、犠牲者とBravoの両義性を帯びている。熱核兵器実験は深海のエコシステムを破壊し、ゴジラは東京のインフラストラクチャーを破壊した。ゴジラによる夜間の無差別な破壊は、1945年の春と夏に日本の都市に対してなされた絨毯爆撃を想起させる。
Susan Sontagは1965年に発表した"The imagination of disaster"の論説の中で、ゴジラの成功を破壊の美学に帰し、文化史の専門家William Tsutsuiは"GODZILLA ON MY MIND Fifty Years of the King of Monsters"にて、長く続くゴジラの成功を、反核の寓話から、人類の愚行と自然環境の軽視の寓話への進化に帰した。
ゴジラ・ファンの間では"ゴジラの進化生物学"が熱く語られ、膨大な関連Webサイトが開設されている。ゴジラのサイズは1954年から1991年の冷戦とペルシャ湾の地政学的不安定化の時代に倍増し、その後比較的安定した時代に成長が止まり、近年また成長し始めた (原投稿の挿入図参照)。この変化をもたらす強力な選択圧はどこから来ているのか興味深い、もちろんエンターテイメント業界の市場原理に支配されているとしても。
著者らは、Gozillaは、人類の集合不安 (humanity's collective anxiety)を受けて進化すると言う。地政学的不安定性、テロリストの脅威、または、'他者 (the other)'に対する単純な恐怖に反応して、多くの民主国家でナショナリストがリーダに選ばれ、国境管理が強化され、軍事的プレゼンスが増強され始めた。また、米国防省は2003年に気候変動に伴い水資源と食料を巡る国際的緊張が高まるとする予測を発表したが、今日、気候変動を “accelerant of instability”かつ“threat multiplier”とみなしている。 米軍予算を、人類の集合不安のプロキシーとみなして算定すると、ゴジラの成長と米軍の膨張のの間に正の相関が見られ、試みに計算した決定係数は0.74に及んだ。
著者らは、Gozillaは、人類の集合不安 (humanity's collective anxiety)を受けて進化すると言う。地政学的不安定性、テロリストの脅威、または、'他者 (the other)'に対する単純な恐怖に反応して、多くの民主国家でナショナリストがリーダに選ばれ、国境管理が強化され、軍事的プレゼンスが増強され始めた。また、米国防省は2003年に気候変動に伴い水資源と食料を巡る国際的緊張が高まるとする予測を発表したが、今日、気候変動を “accelerant of instability”かつ“threat multiplier”とみなしている。 米軍予算を、人類の集合不安のプロキシーとみなして算定すると、ゴジラの成長と米軍の膨張のの間に正の相関が見られ、試みに計算した決定係数は0.74に及んだ。
Susan Sontagは、巨大な災厄は自己保存本能にもとづく集団行動を呼び起こすとした。確かに、ほぼ無敵なゴジラは人類を協働へと誘導する (ゴジラが人類の味方になる場合を除いてであるが、それは別の話)。
人類は今こそ、さなざまな垣根を超えて、協働する時である。
人類は今こそ、さなざまな垣根を超えて、協働する時である。
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