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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/10/20)
  1. [論文] 初代免疫細胞に効率的な突然変異誘発を実現するCRISPR/Cas9ゲノム編集プラットフォーム
    • Corresponding authors: Klaus RajewskyVan Trung Chu; Robin Graf (Max Delbrück Center for Molecular Medicine)
    • 高性能なsgRNA設計ツール“CrispRGold”を開発し、Cas9を高レベルで発現するトランスジェニックマウスを作出することで、初代B細胞においてノックアウト効率平均80%を達成し、ディープシケンシング不要の遺伝子スクリーンを可能とした。
      • CrispRGold:特定の遺伝子のアイソフォーム群に共通の部分配列“minimal CDS”を標的とするsgRNA候補について、オフターゲット作用評価用のミスマッチ・マトリックスに基づくオフターゲット編集と、sgRNAの特性(GC含量;フォールディング・エネルギー)を評価。
      • CAS9を高レベルで発現するトランスジェニックC57BL/6マウス由来の初代B細胞、T細胞およびマクロファージを対象として、CrispRGoldで設計したsgRNAsを使用してゲノム編集を実行。
      • このプラットフォームでゲノム編集した初代B細胞をスクリーンし、B細胞の活性化とプラズマ細胞への成熟化の必須遺伝子を同定。
      • CrispRGoldのWebサイト:http://crisprgold.mdc-berlin.de/(2016/10/20時点で準備中)
  2. [プロトコル] CRISPR/Cas9による機能喪失変異ショウジョウバエの作出法
    • Corresponding author: Simon L. Bulloc (MRC Laboratory of Molecular Biology)
    • 首題作出法の詳細プロトコル
  3. [CORRESPONDENCE] ポリフェノール酸化酵素をCRISPR/Cas9で編集したキノコはGMOの規制外なのか?
    • Corresponding author: Jin-Soo Kim (Seoul National U./Institute for Basic Science)
    • USDA(米国農務省)は、褐変(browning)を防止あるいは遅らせることを目的として、CRISPR/Cas9でポリフェノール酸化酵素(polyphenol oxidase, PPO)を編集したキノコはGMO規制の対象外であるとアナウンスした
      • このキノコは、PPOを標的とするgRNAとCas9をプラスミドをプロトプラストに感染させて、PPO遺伝子の1〜14 bpを欠損させることで作出されたが、PCRとサザンブロットによる解析の結果、産物には外来遺伝子が含まれていないとする報告に基づく判断であった。
      • 著者らは今回、産物にはプラスミド由来の数百塩基対までの外来DNAが含まれる可能性があり、また、オフターゲット・サイトへのプラスミド断片の挿入の検出には、全ゲノムシーケンシグが必要であると主張(数百塩基対までの短い挿入はPCRとサザンブロットでは検出できない)。
      • 著者らは、Arabidopsis のプロトプラストにCas9とgRNAのプラスミドを感染させ、ターゲット・アンプリコン・シーケンシングによって、gRNAのオンサイトでプラスミド由来の断片配列を検出した。一方で、Cas9とgRNAで構成されるCas9リボ核タンパク質(RNP)を注入する手法の場合は、プラスミド断片の挿入は起こらなかった。
    • [情報拠点注] Corresponding authorは、Cas9とCpf1のRNP利用に関する特許を申請している。
  4. [論文] 抗CRISPRタンパク質の溶液構造
    • Corresponding authors: Karen L. MaxwellAlan R. Davidson (University of Toronto)
    • 著者らは先行研究で、Pseudomonas aeruginosa のファージが、タイプI-FとI-EのCRISPR/Casシステムを不活性化する抗CRISPRタンパク質をコードしていることを見出していた。中でもAcrF1タンパク質は、
      P. aeruginosa のタイプI-F CRISPR/Casシステムを強力に阻害した。
    • 研究チームは今回、溶液NMR法によってAcrF1の構造を解き、部位特異的突然変異誘発実験によって、抗CRISPR活性をもたらす領域を同定し、AcrF1の抗CRISPR活性は、AcrF1はCsy複合体に緊密に結合しそのDNAヘの結合を阻害する機構によるとした。
    • [PDB登録構造] 2LW5: Solution structure of anti-CRISPR protein Acr30-35 from
             Pseudomonas aeruginosa Phage JBD30 
      [BMRD登録化学シフトデータ] 18606
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