(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/10/28)
- Corresponding author: Tim Clausen (Research Inst. Molecular Pathology, IMP)
- タンパク質の分解は異常なペプチドの除去や細胞内シグナル伝達に必須のプロセスである。真核生物では、プロテアソームが、ユビキチン化されたタンパク質を分解するが、微生物のATP依存Clpプロテアーゼ(ClpP)が認識するタンパク質の標識システムが不明であった。
- 研究チームは今回、Bacillus subtilisのタンパク質分解機械、AAA unfoldaseであるClpCとClpPのタンパク質分解複合体、が基質タンパク質を認識する機構の解明に取り組んだ。
- タンパク質のフォールディングとアッセンブリによく見られるアルギニンに注目して解析を進めた。熱ショックを与えたB. subtilisからClpPでプルダウンされたタンパク質の定量的質量分析から、アルギニン残基がリン酸化されたタンパク質が、ClpC:ClpP複合体の選択的標的であることが明らかになった。
- In vitro再構成実験から、アルギニンキナーゼMcsBによるアルギニンのリン酸化が、基質タンパク質分解の必要十分条件であることが明らかになった。
- 高分解能なX線結晶構造解析から、リン酸化されたアルギニン(pArg)の結合サイトが、ClpC ATPaseのN末端ドメインに位置していることが明らかになった。
- グラム陰性バクテリアに広がっているこの「pArgを認識してClpC:ClpPプロテアーゼがタンパク質を分解する」システムは、微生物版ユビキチン-プロテアソーム・システムである。

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