[出典] "A boronic acid–rich dendrimer with robust and unprecedented efficiency for cytosolic protein delivery and CRISPR-Cas9 gene editing" Liu C, Wan T, Wang H, Zhang S, Ping Y, Cheng Y. Sci Adv 2019-06-12
- タンパク質の細胞内へのデリバリーは、CRISPR-Cas9ゲノム編集技術をはじめとするタンパク質を利用するバイオテクノロジーと医療の鍵を握っている。華東師範大学、浙江大学ならびに華南理工大学の研究グループは今回、ボロン酸リッチなデンドリマーを利用することで、天然タンパク質の細胞質への送達をこれまでにない効率で実現した。
- デンドリマーの一種である第5世代amine-terminated polyamidoamine (PAMAM)にフェニルボロン酸を結合することで、負に帯電したタンパク質にも正に帯電したタンパク質に結合し、輸送可能なデンドリマーを開発した。
- このデンドリマーによって、13種類のタンパク質をHeLa細胞への送達を実現した(Fig.1引用下図参照;下図Aの下の図は、タンパク質とデンドリマーの間の3種類の相互作用を示す)
- HeLa細胞に導入されたタンパク質がいずれも、本来の活性を示すことも確認した。
- デンドリバー/タンパク質複合体は、HeLa細胞と正常細胞のNIH3T3細胞の生存率を損なわなかった。
CRISPR-Cas9送達
- Cas9タンパク質の送達も効率的であり、ゲノム編集も効率的であった (Fig. 6引用下図参照)。

上図の中のP4は、60個のフェニルボロン酸を結合したデンドリマーを意味する。Cas9-sgRNAのRNP送達によく利用されているCRISPRMAX (図の中ではCMAX)による送達と、P4による送達がもたらすゲノム編集効率を、293T-EGFP細胞におけるEGFPノックアウト効率で比較すると、18.8%から39.7%に向上した (上図E)。また、293T細胞へのindels誘導効率で比較すると、AAVS1標的では17.5%と23.1%、HBB標的では9.7%と17.5%と、P4送達による編集効率向上が見られた (上図H)。 - P4送達によるindel誘導効率の向上はHCT-116細胞とHT-29細胞でも見られ(AAVS1 -上図I; HBB -上図J)、双方の細胞においてWntシグナル伝達に重要なβカテニン遺伝子 (CTNNB1)のノックアウトについてもP4送達による効率向上が見られた。

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