(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/11/12)
- 論文 corresponding author: Phoebe A. Rice (U. Chicago)
NEWS & VIEWS author: Joshua P. Ramsay (Curtin U.) - MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌/Staphylococcus aureus )は、SCCmec(staphylococcal cassette chromosome mec )と名付けられた可動遺伝要素(mobile genetic elements:以下, MGEs)を染色体に組込み、メチシリンに限らずβ-ラクタム系抗菌薬全般に対して耐性を獲得していく。Riceらは今回、このSCCmec の水平移動の機構の一端を明らかにした。
- SCCは非複製的(nonreplicative)とされていたが、Riceらは、「SCCにはDNA複製に関与するタンパク質がいくつかコードされている」と主張してきた。今回、Chcタンパク質がその一種であり、六量体の環状構造をとっていることを明らかにした(分解能 2.895 Å:参考図参照)。

- Chcの2次構造は、SCCmecとは異なるS. aureus の病原性アイランド(SaPI)のセルフローディング複製開始タンパク質に極めて類似し、活性な3’-to-5’ヘリカーゼ(helicase)であり、隣接するORFが一本鎖DNA結合タンパク質をコードしている。
- Cchは、アーケアや真核生物に見られる’ミニ染色体維持タンパク質/minichromosome maintenance’(MCM)ファミリーの複製ヘリカーゼに類似ている。
- さらに、SCCmecが、組換え酵素遺伝子の上流に複製開始因子がコードされているMGEsファミリーのメンバーであることが明らかになった。
- S. aureus 染色体から切り出されたSCCmec が染色体外で複製する能力を有することが示唆される。
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