(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/11/27)
- NEWS & VIEWS corresponding author: Michael L. Shelanski (Columbia U.)
論文 corresponding author: Karen H. Ashe (U. Minnesota/Veterans Affairs Medical Center) - アルツハイマー病(AD)において、タウの異常なリン酸化と凝集が起こり、ADの病理学的特徴である神経原線維変化(neurofibrillary tangles)が形成される。同じ神経原線維変化は他の神経変性疾患にも存在する(タウオパチー)。
- タウが神経機能障害をもたらす分子機構の一つが、酵素による切断から毒性タウが生成される機構であるが、これまで、AD患者の脳に見られるカスパーゼ-3とカスパーゼ-7で生成されるΔtau421に注目が集まっていた。Asheらは今回、カスパーゼ-2による切断産物も神経変性疾患の病因の一つであることを示した。
- カスパーゼ-2はタウを残基のAsp314で切断し、35-kDの断片(TCP35と命名)とΔtau314と命名した断片を産生する。このΔtau314は、神経原線維変化を起こしにくい。
- 前頭側頭型認知症(FTD)で見られるヒトのタウ変異体tauP301Lを過剰発現する2〜3月齢のrTg4510マウス脳においてΔtau314が産生されていることを見出し、それがカスパーゼ-2によって生成されることを同定した。さらに、カスパーゼ-2のレベルを〜33%阻害すると、Δtau314のレベルが低下し、記憶障害が改善されることを見出した。
- In vitro 実験によって、野生型タウ、タウ変異体tauP301L、ならびにΔtau314は全て樹状突起軸の空間を満たしていたが、野生型タウが樹状突起スパインには浸潤しない一方で、タウ変異体tauP301LとΔtau314は樹状突起スパインに浸潤することを見出した。
- カスパーゼ-2による切断に耐性をもたせた変異体(Asp314(D314E))の場合は、スパインへの浸潤がおこらず、記憶障害と神経変性が抑制された。
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