(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/11/27)
- Corresponding authors: Arne Ittner; Lars M. Ittner (U. New South Wales/Neuroscience Research Australia)
- アルツハイマー病(AD)の病理的特徴は、神経細胞外のAβプラークと神経細胞内のタウを含む神経原線維変化(neurofibrillary tangles)である。近年、ADにおける神経細胞機能障害は、Aβの神経毒性は、Aβによるタウのリン酸化を介して発揮されるとする仮説を支持する実験報告が蓄積されてきた。この仮説に対して、IttnerらはADモデルマウスにおいて、タウのリン酸化の中でスレオニン205のリン酸化(pT205)は、Aβの神経毒性を抑制することを発見した。
- NMDA型グルタミン酸受容体( N-methyl-D-aspartate–type glutamatergic receptors;NRs)がグルタミン酸に因る興奮毒性(excitetoxicity)を亢進することでAβの毒性を仲介する。このNRパスウエイにはp38キナーゼファミリー(p38 mitogen-activated protein kinase)を含む因子が関与する。
- p38キナーゼファミリーのノックアウト機能喪失実験から、p38γによって誘導されるpT205が、PSD-95/タウ/リン酸化酵素Fynからなるシナプス後興奮毒性シグナル伝達複合体の形成を阻害することで、Aβの毒性が抑制されることを見出した。
- 続いて、ADモデルマウスの神経毒性の症状が、p38γ欠損によって激化し、p38γの活性化によって症状が消えることを確認した。
コメント