crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Targeted DNA transposition in vitro using a dCas9-transposase fusion protein" Bhatt S, Chalmers R. Nucleic Acids Res 2019-06-25.
  • プログラム可能なヌクレアーゼZFNやTALEを組み合わせてトランスポゾンを特定のサイトへターゲッテングする試みがされていた。最近、CRISPRシステムとトランスポザーゼを兼ね添えたトランスポゾンを利用した試みが相次いだ (crisp_bio 2019-06-13 / 2019-06-08)。
  • University of Nottinghamの研究チームは今回、marinerトランスポゾンHsmar1をdCas9に融合することで、E. colilacZを標的として、50%を超えるターゲッティング効率を実現した (原論文Figure 5引用下図 (c)参照)。Transposon targeting reactions
  • 研究チームがトランスポゾンの中でHsmar1を選択したのは、 in vitroでの効率が100%と高効率で分子機構解明のモデルとして最適であり、また、in vitrotranspososomeを組み立てた後に細胞に送達可能であること、加えて、非選択的ヌクレアーゼ活性が比較的低いことによる。
 Scytonema hofmanni由来CAST (ShCAST) 
  • U. Nottinghamの論文がin pressの間にScienceオンラインで発表されたShCASTに言及:ShCASTとは、ドナーの組み込みの方向が一方向で、また、標的DNAサイトから一方の側の一定の距離の位置に発生することが共通している。ShCASTは、E. coli由来のTn7トランスポザーゼのホモログであり、ターゲッティングの機構以外の機能はTn7と同様である。ShCASTはTn7のTnsDサブユニットに換えて、Cas12Kサブユニットを利用することで、RNAにガイドされて標的DNAと相互作用する。
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