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(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/02/10)
  1. [論文] タイプⅢ-B CmrシステムにおけるDNA切断機構(1):Rebecca M. Terns; Michael P. Terns (U. Georgia) 
     CRISPR/CasシステムはcRNAとエフェクター複合体を構成するCasタンパク質に準拠してタイプⅠからVまでに分類されている(「CRISPR/Casシステム進化分類の改訂-新たなゲノム編集ツールの発見へ」参照).タイプⅢにはⅢ-A CsmとⅢ-B Cmrの2種類のサブタイプが存在する.Csmエフェクター複合体は外来DNAから転写伸張中のRNAに加えて外来RNAも切断する.Cmrエフェクター複合体はRNAを切断することが知られていたところ(ニュースウオッチ記事「Ⅲ型CRISPR/Casによる免疫の分子機構 」)、Sulfolobus islandicus のCmr−αは、RNA切断と共に外来DNAも切断することが2015年に報告された
    • Ternsらは今回Pyrococcus furiosus において、Cmrエフェクター複合体の標的とされた外来RNA自体が、Cmrエフェクターを活性化して外来DNA切断に至らしめることをin vitroで見出した.
    • このDNA切断活性は、標的RNAの切断に非依存で標的外来RNA内の標的配列に隣接する短い配列”rPAM (RNA proto-spacer-adjacent motif)”を必要とする.一方で、標的DNAのPAMは、必要としない.また、P. furiosus Cmrシステムによるプラスミドの排除はCsx1を必要とせず、Cmr2のHDヌクレアーゼとPalmドメインに依存する.
    • Cmr複合体は、crRNAに相補的な標的となる配列およびrPAMを含む外来RNAsで活性化される新奇DNAヌクレイアーゼである.
  2. [論文] タイプⅢ-B CmrシステムにおけるDNA切断機構(2):Scott Bailey (Johns Hopkins U.)
    • タイプⅢ-B Cmrエフェクター複合体がin vitro でssRNAを切断することが知られており、in vivo で転写に共役してDNA切断することが示唆されていた.
    • Baileyらは今回、Thermotoga maritima のCmrエフェクター複合体がcrRNAに相補的なssRNAを標的とし切断し、加えて、標的ssRNAの結合が複合体のサブユニットCmr2のHDドメインのssDNA特異的なヌクレアーゼを活性化することを見出した.
    • すなわち、T. maritima においてはCmrエフェクター複合体が転写に共役したDNA切断活性を有することを示した.
  3. [論文] CRISPR/Cas免疫システムが存在するバクテリアは少数派:Jillian F. Banfield (UC Berkeley)
    • これまで、CRISPR/Casシステムはバクテリアの40%に存在し、アーケアの81%に存在するとされてきた.今回Banfieldらは、環境由来バクテリアのDNA解析から、CRISPR/Casシステムが存在するのは1,724サンプルの10%に過ぎないことを報告した.この不整合は、培養可能な微生物を対象にした解析か、培養されていない微生物も対象に含めたか、に起因するとみられる.
    • CRISPR/Casの不在はヌクレオチド生合成能の欠除と共生ライフスタイルと関連し、また、CRISPR/Casシスムを欠く系統ではウイルスに対する非特異的防御システムが発達している.
  4. [特許] CRISPR-BASED GENOME MODIFICATION AND REGULATION 
     発明人:Fuqiang Chen, Gregory D. Davis, Qiaohua Kang & Scott W. Knight (Sigma-Aldrich Biotechnology)
    • 真核生物の細胞または胚において発現するRNAにガイドされるエンドヌクレアーゼの構築と、それによる真核生物の細胞と胚におけるゲノム改変.
    • CRISPR/Cas様タンパク質またはそのフラグメントとエフェクタードメイン(切断ドメイン、エピゲノム改変ドメイン、転写活性化ドメイン、あるいは、転写抑制ドメイン)の融合タンパク質の構築と、それによる、染色体配列の改変または発現調節.
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