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(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/12/25)
  • Corresponding authors: Nicholas T. SeyfriedAllan I. Levey (Emory U. School of Medicine)
  • Baltimore Longitudinal Study of Aging (BLSA) 由来の死後脳の標本50例(コントロール 15例;発症前段階(preclinical stages/asymptomatic)のAD(ASYMAD)15例;AD 20例)を対象として、ラベルフリー質量分析法とシステム生物学の手法によってプロテオームを解析した。また、BLSA解析と独立にEmory Alzheimer's Disease Research Centerの標本(AD 8例;パーキンソン病 8例;筋萎縮性側索硬化症 8例)のプロテオーム解析も行い、整合する結果を得た。
  • トランスクリプトームからのRNA共発現ネットワークと同様に、タンパク質共発現ネットワークにおいても生物機能と細胞型(神経細胞、オリゴデンドロサイト、アストロサイト、およびミクログリア)に対応するモジュール構造が見えてきた。
    • 既報告の後期ADのRNA共発現ネットワークと同様に、タンパク質共発現ネットワークでも、アミロイド斑および神経原線維変化の病理と、神経細胞およびシナプスに関連するモジュールの下方制御ならびにアストログリアの上方制御とが、相関していた。
    • 一方で、総体的に見ると、微小管の機能、RNA/DNA結合、翻訳後修飾、および炎症などに関連するモジュールを含むタンパク質共発現モジュールの半分以上が、RNAレベルでは見られないモジュールであった。さらに、そのいくつかは、ASYMADにひも付けられ、認知能力の低下とともに徐々に変化し、AD特有であった(パーキンソン病と筋萎縮性側索硬化症には見られなかった)。
  • さらに、International Genomics of Alzheimer’s Project (IGAP)コンソーシウムのGWASによって同定されたAD危険因子(遺伝子)をネットワークにマップした。危険因子はプロテオームレベルでもトランスクリプトームレベルでも、オリゴデンドロサイトとミクログリアのマーカーが集中しているモジュールにマップされた。
    • ミクログリアのタンパク質が集中しているタンパク質とRNAのネットワークが、ADでは有意に増加し、また、神経原線維変化と認知能力の低下と強く相関していた。発症前段階からシナプスと神経細胞が失われるとしても、臨床症状は炎症に相関するモジュール、特に、ミクログリアタンパク質を豊富に含むモジュール、と相関することが示唆された。
  • 本研究は、プロテオームの’深さ(depth)’が相対的に浅いという限界をともなっており(サンプルあたりのトランスクリプトームが〜18,000 mRNAsに対して〜4,500タンパク質)、’深さ(depth)’と’幅(width)’をともに広げた質量分析が必要である。
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