(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/12/27)
- [注] 転写開始過程の全体像についてはPatrick Cramerらの論文も含む3論文をとりあげた創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/05/25「転写開始過程の構造基盤」参照
- Corresponding authors: Patrick Cramer (MPI Biophysical Chemistry); Achilleas S. Frangakis (Buchmann Inst. Molecular Life Sciences and Inst. Biophysics, GUF)
- 14のサブユニットで構成される分子量590kDaのPol Iの不活性なコンフォメーションについては、X線結晶構造解析によって原子分解能の構造が明らかにされたが、DNA-RNAスキャフォールドの結合によるコンフォメーション変化や転写進行中の動態は明らかにされていなかった。研究チームは今回、酵母Pol Iを対象として、DNA-RNAスキャフォルドが結合している転写進行中の状態、ならびに、DNA/RNAを結合していない単量体の状態の構造を、クライオ電顕単粒子再構成法で明らかにした(参考図参照)。

加えて、クライオ電顕電子線トモグラフィーによっても、Pol Iの動態観察を行い(分解能 29 Å)、単粒子解析法で得た構造と整合する結果を得るとともに、Pol Iに入るrDNAとPol Iから出て来るrDNAの曲がり方がほぼ150°であることを見出した。 - これまでに報告されていた構造情報と今回得られた構造情報は、転写時の伸長が、クレフト(参考図参照)のクレフトの収縮と拡張によって制御されることを裏付けた。
- また、Pol Iが核酸に対して誘導適合(indeuced-fite)するだけでなく、核酸結合によってアロステリックに制御されることも明らかになった。
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