crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

# crisp_bio 2019-08-13: 本記事が引用したオリジナルのNature論文に対するbioRixv投稿[Contradictory Results]に対する原論文著者グループからの反論2019-08-13にbioRxivに投稿された。
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[出典] [Contradictory Results] "Evidence that APP gene copy number changes reflect "recombinant vector contamination" Kim J [..] Walsh CA, Lee EA. bioRxiv 2019-07-22.

 Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute/UCSD のJerold Chunらの研究グループが2018年11月21日にNature誌に発表した論文はさまざまなジャーナルのNEWS欄で取り上げられるなど大きな反響を巻き起こした。「孤発性AD患者か健常者かを問わずに、神経細胞において、APP遺伝子にRNAを介した体細胞組換え/体細胞レトロトランスポジションを介してgenomic complementary DNAs (gencDNAs)が多数生成される」とする論文であった (この分子機構の簡明な図解がNature NEWS &VIEWSのFigure 1にあります)。

 それから8ヶ月、Boston Children’s HospitalのEunjung Alice Leeらのグループが、Nature論文のAPPを標的とするシーケンシングデータを再解析し、APP gencDNAが内因性APP由来ではなく主としてAPPコーディング配列が組み込まれたベクタ[*]に由来するコンタミの結果であるという結論に到り、加えて、独自に行った単一細胞全ゲノムシーケンシング (scWGS)からはAPPの体細胞レトロトランスポジションを示すデータが得られなかったとして、bioRxivに投稿した 。

 [*] Nature論文では、「APPモザイクをテーマとする先行研究で利用されたベクタが持ち越されたと判定し、また、APPコーディングシーケンシングを標的とするプライマーを利用したことで、それを内因性APP由来と識別できなかった」とした。

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