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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Genome-Edited Triple-Recessive Mutation Alters Seed Dormancy in Wheat" Abe F [..] Sato K. Cell Rep. 2019-07-30. プレスリリース"<ゲノム編集で迅速にコムギの特性を改良>-収穫前の雨で発芽せず良質な小麦生産に向けて-" 岡山大学・農研機構 2019年07月31日

先行研究
 岡山大学、農研機構ならびにUniversity of Adelaideは、二倍体ゲノム作物であるオオムギの休眠を制御する種子休眠性遺伝子Qsd1の配列を決定し、Qsd1が休眠を制御する機構を明らかにし、穂発芽 (降雨などによる収穫前の発芽)防止への応用を示唆した (岡山大学・農研機構プレスリリース 2016-05-16; Nat Commun 2016-05-18)

コムギの種子休眠性向上
 農研機構、岡山大、横浜市大ならびに帯広畜産大の研究グループは今回、六倍体ゲノム作物であるコムギ (Triticum aestivum)におけるオオムギQsd1ホメオログTaQsd1を標的とするCRISPR/Cas9ゲノム編集を介して、50%が発芽するまでの期間と完全な発芽までの期間が、野生型栽培品種よりもそれぞれ、5日以上/3週間以上遅れ、かつ、導入遺伝子を帯びていない変異体を得た。

6倍体ゲノム作物の変異誘発実験
  • 栽培コムギは3種類の祖先種に由来する2倍体種の交雑を経た6倍体ゲノム (サブゲノム3セット AABBDD)を帯びていることから、劣性遺伝子の場合に特に、遺伝子変異と表現型の対応づけが困難であった。
  • 研究グループは今回、TaQsd1の第14エクソンのサブセット3セット間で共通な領域を標的とするCRISPR/Cas9システムをアグロバクテリウムを介して導入し、サブセット3セット全てのTaQsd1に突然変異を帯びた個体 (aabbdd)を得た。これを野生型栽培コムギ (AABBDD)と交雑することでaaBBDD, AAbbDDなど8種類を得、aabbddの種子休眠期間が野生型栽培品種およびその他の変異型と顕著に異なり、他の表現型は共通していることを見出した。
  • また、aabbddCas9などのトランスジーンを帯びていないことをPCRとWGSで確認した (いわゆるGMOに当たらないことを確認した)。
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