[出典] "Structural basis for AcrVA4 inhibition of specific CRISPR-Cas12a" Knott GJ [..] Doudna JA. eLife. 2019-08-09.

 先行研究でCas12aを阻害する3種類のタンパク質Acr-VA1, -VA4および-VA5を発見したJ. A. Doudnaらは、その後、生化学的実験や ネガティブ染色電子顕微鏡法によって、Cas12aを阻害する分子機構を解き明かしてきたが、今回、クライオ電顕単粒子再構成法によってAcrVA4がLbCas12aを阻害する構造基盤を明らかにした:
 ・EMDB-20266  (PDB-6P7M) LbCas12a-crRNA: AcrVA4 (1:2 complex) (分解能 2.99 Å)
 ・EMDB-20267 (PDB-6P7N) LbCas12a-crRNA: AcrVA4 (2:2 complex) (分解能 4.91 Å)
 ・[crisp_bio注] 全体構造について原論文Figure 1引用下図左参照
Overall structure AcrVA4
  • AcrVA4は、CRISPRアレイから転写されたpre-crRNAを切断し成熟crRNAを生成するCas12aのヌクレアーゼ、ならびに、成熟crRNAの5'末端に、直接結合することで (原論文Figure 2引用上図右参照)、LbCas12aのdsDNAへの結合をアロステリックに阻害する。
  • AcrVA4は二量体を形成するが、二量体化がCas12a阻害活性に必須あるいは阻害活性を亢進することはないことを確認した。
  • また、Acidaminococcus sp. Cas12a (AsCas12a)はその独特のヘリックスバンドルによってAcrVA4の結合を阻害することも見出した。
  • 研究グループは、Cas12aとAcrとの共進化についても論じた (原論文Figure 7引用下図参照)co-evolution
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