crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "A Universal Proximity CRISPR Cas12a Assay for Ultrasensitive Detection of Nucleic Acids and Proteins" Li Y, Mansour H, Tang Y, Li F. bioRxiv 2019-08-13.

背景
 UC BerkeleyのJ. DoudnaらとBroad InstituteのF. Zangらは近年、それぞれ、Cas12aのコラテラルssDNA分解活性とCas13aのコラテラルRNA分解活性に、等温核酸増幅法であるリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)を組み合わせて、ポイントオブケア (POC)に利用可能な高感度核酸検出システム、DETECTRとSHERLOCK、を開発した [1]。最近も (2019-08-14)、Cas12aのコラテラルssDNaseを利用した低分子の高感度検出システムCaT-SMelorがNature Communication誌に発表された [2]。

概要
 四川大学とBrock Universityの研究チームは今回、Cas12aのコラテラルssDNaseに基づいて、核酸と抗体をそれぞれ検出下限 (LOD)1fMと10 pMの超高感度で検出するシステムを開発した。

補足
  • DETECTRとSHERLOCKはいずれもCas12a/Cas13aの標的DNA/RNAの認識が誘起するコラテラルssDNase/RNaseを利用するために検出対象核酸ごとにcrRNAを設計・合成する必要があった。また、低分子やタンパク質の検出は不可能であった (前述にあるように2019-08-14にCas12aのコラテラルssDNaseに基づく低分子高感度検出法が発表された[2])。
  • 研究チームは今回、Cas12a-crRNAで標的可能なPAMを帯びた汎用のDNAバーコードを予め設計しておき、標的への結合を介したproximityによりドライブされるプライマー伸長反応を巧妙に設計することで、均一溶液内で、検出対象をssDNAへと変換する手法を開発し、Cas12a-crRNAの標的への直接結合を回避して、核酸に加えて、核酸ではない分子の検出も実現した(投稿のScheme 1を参照)。
  • さらにCas12aのニッキング活性[3]を利用してプライマー伸長反応の反復を実現し、加えて、バックグランドを低減させる工夫を加えて (投稿 Fig.1参照)、核酸と抗体の超高感度検出に成功した 。抗体の検出には、抗体に結合するリガンドを介して、抗体結合にドライブされるDNAバーコードのプライマー伸長を利用した (投稿Fig. 2参照)。
Cas12a関連crisp_bio記事
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット