[出典] "Temporal-Spatial Visualization of Endogenous Chromosome Rearrangements in Living Cells" Wang H [..] Qi LS (Stanford U). bioRxiv. 2019-08-14. >>> Science 2019-09-05.

bioRxiv版に対してSience版には、"Dual CRISPR DNA/RNA LiveFISH"が加えられている (crisp_bio 2019-09-08)。
  • CRISPR LiveFISHでは、蛍光色素で5'末端を標識したcrRNAとtracrRNAの二重鎖である蛍光gRNAとdCas9からなる蛍光RNP (fRNP)によって、gRNAsの標的を可視化する。予備実験において、このgRNAsがdCas9および標的DNA分子に結合している状態でのみ細胞内のRNaseから保護され安定であるが、それ以外の状況ではRNaseに速やかに分解されことを確認した。
  • CRISPR LiveFISH13トリソミー (パトウ症候群)の病因である染色体異常の細胞遺伝学的分析出と、の性能を、ヒトT細胞における複数遺伝子座の同時追跡で実証した。CRISPR LiveFISHによる多重遺伝子座追跡は、多数のコンストラクトの作成と最適化を必要とする手法 (互いに直交するdCas9sの併用やsgRNAsをRNAアプタマーとRNA結合タンパク質に結合する手法)よりも効率的である。
  • また、第3染色体上のPPP1R2遺伝子と、第13染色体上のSPACA7遺伝子を標的とする一組のCas9 RNPによる遺伝子編集が引き起こす非相同な染色体間での転位の動態を、Cas9 RNPの標的サイトから18-82 kb離れたサイトを標的とする一組のCRISPR-LiveFISHにより、単一細胞内でリアルタイムで観察することにも成功した。