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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "High-throughput screen reveals sRNAs regulating crRNA biogenesis by targeting CRISPR leader to repress Rho termination" Lin P [..] Lan L, Jiang J, Wu M. Nat Commun. 2019-08-19.

 中国Army Medical Universityと米国University of North Dakotaを中心とする中・米・カナダの研究グループは今回、タイプI-F CRISPR-Casシステムを調節する可能性があるsRNAsをスクリーニングし、crRNAの生合成を亢進または抑制するsRNAsを同定した。
  • GRIL-seq (Nat Microbiol 2016)からのデータ、P. aeruginosaゲノムの解析結果などから集約した274種類の sRNAsを対象として、CRISPRリーダー配列への結合をT4 RNAリガーゼによる近接ライゲーションアッセイを介して、P. aeruginosaのタイプI-F CRISPR-Casシステムを調節する可能性があるsRNAsを34種類を抽出し、その中で、CRISPR遺伝子座の転写を亢進するsRNAs、pant463とPhrs、ならびに、転写を抑制するsRNA, pant391、を特定した。
  • Phrsは、CRISRリーダ配列への結合を介してρ因子依存的転写終結阻害することで、スペーサを含むCRISPR遺伝子座の転写を亢進し、crRNAの生合成ひいてはバクテリオファージの侵入に抗するCRISPR-Cas獲得免疫機構を活性化する。
  • この機構は、タイプI-C/-Eにも存在した。
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