[出典] "A CRISPR-based method for measuring the essentiality of a gene" You Y, Ramachandra SG, Jin T. bioRxiv. 2019-08-15.

 NIHアレルギー感染症研究所 (NIAID)の研究チームは、Cas9-sgRNAによる機能喪失スクリーンに対して生存するクローンが帯びているsgRNA標的遺伝子に見られるフレーシフト変異の有無によりその遺伝子の必須性を判定する手法を提案し、細胞性粘菌キイロタマホコリカビ (Dictyostelium discoideum)の3種類の遺伝子、キネシン3をコードするKIF1A、葉酸受容体をコードするfAR1、ダイニン軽鎖・中間鎖をコードするDync1li1で検証し、Dync1li1を必須遺伝子と判定した。

 すなわち、KIF1AとfAR1のエクソンを標的とするCas9-sgRNAに対して生存したクローン群には各遺伝子の野生型、インフレーム (3n)変異およびフレームシフト変異(3n+1と3n+2)がみられ、Dync1li1標的スクリーンに対して生存したクローン群には、野生型とインフレーム変異が見られたが、フレームシフト変異が見られなかった (原投稿Supplementary Fig. 1引用下図参照)。CRISPR-E test
crisp_bio注:必須遺伝子の機能解析には、細胞死をもたらすノックアウト実験に替えてCRISPRiによる解析が行われ、また、CRISPRiによる必須遺伝子セットの同定も試みられている:2019-08-18 CRISPRiに基づくヒトiPSC由来ニューロンにおけるマルチモーダル遺伝的スクリーニングCRISPR関連文献メモ_2016/05/28 [第2項] CRISPRiによるBacillus subtilis 必須遺伝子の網羅的機能解析