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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Systematic Immunotherapy Target Discovery Using Genome-Scale In Vivo CRISPR Screens in CD8 T Cells" Dong MB, Wang G, Chow RD, Ye L [..] Chen S. Cell 2019-08-22
  • Yale University School of Medicineの研究グループは今回、トリプルネガティブ乳癌 (TNBC)モデルマウスin vivoにて、ゲノムスケールCRISPR-Cas9によりCD8 T細胞の浸潤スクリーンを行い、免疫療法の設計通りのPD-1とTim-3といった標的をトップヒットとして同定すると共に、新たに一連の標的を同定した。
  • 並行して行ったTNBCモデルE0771マウス細胞におけるCD8 T細胞による脱顆粒化性スクリーンの結果をあわせて、一連の新規標的を絞り込み、その中のトップヒットの一つであるRNAヘリカーゼDhx37 について機能解析を進めた。
  • 初代CD8 T細胞において、Cas9またはCas12a (Cpf1)でDHX37をノックアウトすると、TNBCモデル細胞に対するエフェクタ細胞の活性化と分化、脱顆粒化性および抗腫瘍性が向上した。
  • マウスとヒトのCD8 T細胞においてDhx37/DHX37の免疫学的、生化学的およびトランスクリプトーム解析を行った。その結果、DHX37が、NF-κBファミリーのp65ならびにPDCD11と相互作用し、CD8 T細胞のNF-κBパスウエイに影響を与えることで、抗原刺激に対するCD8T細胞の応答を抑制することを同定した。
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