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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Regulation of gene expression by altered promoter methylation using a CRISPR/
Cas9-mediated epigenetic editing system" Kang JG, Park JS, Ko JH, Kim YS. Sci Rep 2019-08-19.
 韓国KRIBBの研究チームは今回、マウスNIH3T3細胞において転写が抑止されているOct遺伝子の高メチル化プロモーター領域 (CpGサイト)4ヶ所を標的として、2種類のCRISPR/Cas9技術により脱メチル化を試み、いずれも、Oct4遺伝子の発現を亢進をもたらすことを示した:
  1. CRISPR/Cas9 KI (ノックイン) - CRISPR/Cas9を介したHDRにより高メチル化領域をメチル化されていないコンセンサス配列へと置換
  • CRISPR/dCas9-Tet1による脱メチル化 (原論文Figure 4引用下図参照)。altered promoter methylation
 手法(1)には、KIの効率が低いことと、部分的なHDRが進行する2種類の課題が残った。手法(2)は、ヌクレオソーム-クロマチンの3次元構造が極めて複雑であり細胞内動態がダイナミックであり、dCas9に融合したエピゲノム修飾因子の作用点同定が簡単ではない課題を伴っている。

 研究チームはまた、CRISPR/dCas9-Tet1に、DNAメチル化酵素DNMT-1そしてまたはDNMT-3を標的とする特異的なsiRNAを併用することで、Oct4 mRNAレベルが相乗的に上昇することを示した。
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