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2022-05-13 Nature Communications 誌刊行論文としての書誌情報を追記
2019-12-20 bioRxiv 投稿に準拠した初稿
[出典] PERSIST: A programmable RNA regulation platform using CRISPR endoRNases. DiAndreth B [..] Weiss R.  (bioRxiv. 2019-12-16.) Nat Commun. 2022 May 11;13(1):2582. doi: 10.1038/s41467-022-30172-3.

 導入遺伝子の発現調節は、遺伝子治療、細胞療法およびバイオマニュファクチャリングに不可欠な技術であるが、転写因子を介した調節は、エピジェネティックな遺伝子サイレンシングなどの複雑な分子機序に左右され安定性と信頼性に欠ける。MITの研究グループは今回、RNAレベルでの遺伝子発現のオンオフを可能とするプラットフォーム、PERSIST ("Programmable Endonucleolytic Scission-Induced Stability Tuning")、を開発することで、エピジェネティックな遺伝子サイレンシングに左右されない安定な遺伝子発現調節を実現し、bioRxivに投稿した。
  • PERSISTは、転写物の3'UTRと5'UTRにそれぞれ活性化用と抑制用のモチーフを組み込んだON-スイッチとOFF-スイッチを基本部品として、転写終了後の段階でのRNA切断を介した遺伝子発現調節を実現している。
  • PERSISTTプラットフォームは、CRISPRシステム由来のエンドリボヌクレアーゼ (endoRNases)、リボザイムおよびmiRNAsで制御可能である (HEK293FT、CHO-K1、HeLaおよびJurkatの各細胞株で検証)。
  • CRISPRシステム由来のendoRNasesとして、Cas6ファミリー由来のCsy4, Cse3 (TthCas6e), CasE(EcoCas6e)ならびにCas6 (PfuCas6-1)と、Cas13ファミリー由来のLwaCas13a,PspCas13b, PguCas13b, RanCas13bならびにRfxCas13dの9種類を検証・利用した。
  • CRISPR endoRNasesに基づくPERSISTによる遺伝子発現の抑制と亢進のダイナミックレンジはそれぞれ~100倍と~10倍であった。
  • CRISPR endoRNasesに基づくスイッチングの直交性とモジュラリティーおよびON/OFFのいずれもが可能 [*]な特徴を活かして、HEK293FTに、多段階カスケード、2入力ブール論理演算16種類、ポジティブフィードバック、フィードフォワード・ループ、および、ポジティブフィードバックとリプレッション・モチーフを組み泡あせた双安定性トグルスイッチを、構築した。
  • [*] 転写因子による調節の場合は、転写因子によってONかOFFかどちらか一方の選択を迫られるが、PERSISTでは、UTRに組み込むモチーフとの組み合わせにより同一のendoRNasesでONとOFFを同時に制御可能。
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