1. 既存のガイドRNA設計プログラムの多数決をとると、現時点で最適なガイドRNAセットが得られる
[出典] Improving CRISPR guide design with consensus approaches. Bradford J, Perrin D. BMC Genomics. 2019-12-24.
Queensland University of Technologyの研究チームが9種類のgRNA設計ツールを、実験データに基づく2種類のデータセット (WangデータセットとDoenchデータセット)で評価し、「sgRNAScorer2、CHOPCHOP、PhytoCRISP-Exおよびmm10dbの4種類をセットとし、このうち少なくとも3種類が共通して選定したgRNAsを全て採用する」コンセンサス方式が、その他の組合せおよび個々のプログラムから得られるgRNAsセットに優るという結論に達した。ただし、これは一時的な改良策であり、単なる多数決ではなくこれまでのアルゴリズムを統合することで、あるいは新規なアルゴリズムによる設計プログラム開発が望まれるとした。
2. 金コロイド標識を介して、培養細胞と生体組織におけるSpCas9の分布を免疫電子顕微鏡法で観察
[出典] Immunogold Labeling to Detect Streptococcus pyogenes Cas9 in Cell Culture and Tissues by Electron Microscopy. Ulloa-Navas MJ, García-Tárraga P, García-Verdugo JM, Herranz-Pérez V. CRISPR J. 2019-12-16.
University of Valenciaの研究グループの報告:HEK293T細胞では核または核膜孔に局在;オリゴデンドロサイト前駆細胞の場合、デリバリー時に細胞質小胞に局在し、Cas9を発現している非分裂細胞では細胞質に分布;肝臓では細胞型に依存する分布;脳組織では分布に特異性見られず
3. CRISPR RNPにより、CHO細胞の効率的な遺伝子編集とクローン選別を実現
[出典] High throughput, efficacious gene editing & genome surveillance in Chinese hamster ovary cells. Huhn SC, Ou Y, Kumar A, Liu R, Du Z. PLoS One. 2019-12-19.
CHO細胞はタンパク質生産の宿主として広く利用されているが、そのさらなる開発を目指して、Cell Line Development, Merck & Co.の研究チームは今回、グルタミン合成酵素遺伝子をモデルとして、ZFNと比較しながらCRISPR RNPによるハイスループットで効率の良いCHO遺伝子編集が可能なことを示した。また、TIDE (Tracking of Indels by DEcomposition)またはICE (Inference of CRISPR Editing)に基づいてクローンの選別をキャピラリーシーケンシングだけで可能なことを示した。
4. CRISPR Cas9 HDRを介したノックインの効率40-64%を実現
[出典] An efficient gene knock-in strategy using 5′-modified double-stranded DNA donors with short homology arms. Yu Y, Guo Y, Tian Q, Lan Y, Yeh H, Zhang M, Tasan I, Jain S, Zhao H. Nat Chem Biol. 2019-12-23.
University of Illinois at Urbana-Champaignの研究グループの報告:293T細胞において、5'末端を化学修飾したdsDNAドナー (相同アームの長さは比較的短い50 bp)をCRISPR RNP HDRに組み合わせることで、0.7/2.5 kbの長さの断片をこれまでにない高効率 (それぞれ、64/40%)でノックインすることに成功した。また、ヒト癌細胞と幹細胞の多重な遺伝子座それぞれへのノックイン率を~5倍にまで高めることに成功した。
コメント