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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] High-frequency random DNA insertions upon co-delivery of CRISPR-Cas9 ribonucleoprotein and selectable marker plasmid in rice. Banakar R [..] Wang K. Sci Rep. 2019-12-27.  

 CRISPR-Cas9をRNPの形で送達するとCas9-sgRNAのゲノムへの組み込みを回避しオフターゲット編集が抑制されるメリットがあるが、RNPが導入された植物細胞を選択するためにマーカ遺伝子も送達する必要がある。
 Iowa State Universityの研究グループは今回、イネのフィトエン不飽和化酵素 (rice phytoene desaturase gene; OsPDS)遺伝子編集をモデルとして、CRISPR-Cas RNPとマーカ遺伝子の送達法3種類を比較した。
  • パーティクル・ガン法によるRNP/マーカ遺伝子の同時デリバリ、パーティクル・ガン法によるマーカ遺伝子のデリバリ、および、アグロバクテリウム法によるデリバリの3種類を比較した。
  • いずれの手法でもOsPDSの標的部位へのindels導入に成功したが、パーティクル・ガン法ではいずれも、プラスミド由来DNA断片および比較的稀であるが染色体由来のDNA断片が、標的部部位に高頻度 (> 14%)で挿入されることを見出した。
  • 一方で、アグロバクテリウム法による送達はランダムなDNA断片挿入を伴わずまたT-DNAの挿入も見られなかった。
  • 本研究は植物遺伝子編集にあたり、デリバリー法の選択と編集結果のスクリーニングが重要であることを示した
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