[出典] Characterization and applications of Type I CRISPR-Cas systems. Hidalgo-Cantabrana C, Barrangou R. Biochem Soc Trans. 2020-01-10.
CRISPR-Casシステムはクラス1とクラス2に分類されている。これまでゲノム編集、転写調節、分子検出、可視化などもっと広く利用されているのは、単体のタンパク質をエフェクターとするクラス2(タイプII, V, VI)である。一方で、タンパク質複合体をエフェクター (CRISPR associated complex for antiviral defense, Cascade)とするクラス1 (タイプI, IV, III) は、多数かつ多彩であるが、その複雑さゆえにクラス2に対して遅れをとっていた利用が広がり始めた。
North Carolina State UniversityのBarrangouとHidalgo-Cantabranaは今回、クラス1に分類されているタイプI CRISPR-Casシステムによる宿主ゲノム編集と遺伝子転写調節、および、その真核生物への展開のレビューを発表した。
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