[出典] High-fidelity base editor with no detectable genome-wide off-target effects. Zuo E, Sun Y, Yuan T, He B, Zhou C [..] Li Y, Yang H. bioRxiv 2020-02-09.
概要
- CBEとABEは病因変異の修復ツールとして期待されているが、CBEは特に、標的としたDNAとRNAの双方にオフターゲット編集 (一塩基変異/SNVs)を誘導することが報告され、その抑制法が工夫されてきている。
- 中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所、中国科学院上海生物科学研究所、上海科技大学などの研究グループは今回、シチジンデアミナーゼを改変することで、オフターゲット編集を検出限界を下回るまでに抑制可能なことを示した。
CBEのオフターゲット関連crisp_bio記事抜粋
- 2020-02-05 BE3の高精度化 (2) - 標的可能領域拡大と位置特異性付加
- 2019-01-31 BE3の高精度化 (1) - シチジンデミナーゼとCas9の間のリンカーの最適化
- 2018-11-28 BE3とCas9がオフターゲットとオンターゲットに誘導する変異プロファイル2報 [第1項] 一塩基編集(BE3)はオフターゲットSNVsを顕著に誘発する [GOTI法論文:今回と同じ研究グループの成果]
- 2019-06-12 BE3とABE7.10によるRNAオフターゲットSNVs大量発生とその抑制法 [今回と同じ研究グループの成果]
- 2019-11-27 塩基編集CBEによるヒトiPSCsの遺伝子編集には、ABPOBECが誘導するオフターゲット変異が伴う
- 2019-04-20 [展望]オフターゲット・プロファイリングの進歩と塩基編集 (Base Editor: BE)のオフターゲット最小化
- 2019-03-02 C-to-T塩基編集(BE3)は、イネでもマウスでも、大規模なオフターゲット変異を伴う
詳細
- ラット・シチジンデアミナーゼ (rAPOBEC1)またはヒト・シチジンデアミナーゼ (hAPOBEC3A)のssDNAまたはRNA結合ドメインに変異を導入しテストした。変異を導入した24種類のシチジンデアミナーゼを組み込んだCBE、BE3またはBE3-hA3A、をHEK293T細胞でスクリーニングし、オンターゲット編集の効率が損なわれていないCBEsを7種類同定し、また、そのうち、4種類についてオンターゲットでのindel発生が増加しないことも同定した。
- これら7種類に、オンターゲット編集効率が高いhA3A変異体1種類を先行研究 (crisp_bio 2019-06-12) から加えた8種類について、マウスの2細胞期胚の2つの割球の一方をコントロールとするオフターゲット判定法GOTIとRNA-seqを利用して、オフターゲットSNVs発生をゲノムワイドで判定した。
- BE3R126Eは、DNA SNVs非検出を達成したが、RNA SNVsの抑制効果は僅かであった。
- BE3-hA3AY130Fは、RNA SNVs非検出を達成したが、DNA SNVsの抑制効果を伴わなかった。
- BE3R132E、BE3W90Y+R126E、ならびにBE3W90F+R126Eは、DNAとRNA双方についてSNVs非検出を達成した。なお、これら3種類はオンターゲットでのindels発生が増加しなかったrAPOBEC1が組み込まれている。
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