crisp_bio

論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[序] "Genome-wide screening for functional long noncoding RNAs in human cells by Cas9 targeting of splice sites" Liu Y, Cao Z, Wang Y, Guo Y, Xu P, Yuan P, Liu Z, He Y, Wei W. Nat Biotechnol 2018 Nov 5.
CRISPRメモ_2018/11/06 [#1] スプライス部位を標的とするゲノムワイドCRISPRスクリーンで ヒト細胞必須lncRNAsを230種類同定

[破] MATTERS ARISING "Fitness effects of CRISPR/Cas9-targeting of long noncoding RNA genes" Horlbeck MA, Liu SJ, Chang HY, Lim DA, Weissman JS. Nat Biotechnol 2020-02-24
  • 3種類の細胞株におけるスプライス部位を標的とするCRISPR/Cas9編集によって細胞のフィットネスが低下するlncRNA遺伝子座を469種類 (必須は230種類)を同定した[序] の論文に対して、UCSFのJonathan S. Weissmanらは今回、CRISPRi技術による彼ら自身の解析結果にも基づいて、遺伝子コピーが増幅されている領域、タンパク質コーディング領域との重複、あるいは、遺伝子の融合が原因となって、各細胞株において少なくとも30–39%が偽陽性であるとした [crisp_bio注: コピー数が多い領域ではDSBが大量に発生するために細胞死する確率が高まり、また、タンパク質コーディング領域がかぶっている場合も細胞死の確率が高まり、標的lncRNAを必須と判定するリスクを伴う]。
[急] "Reply to: Fitness effects of CRISPR/Cas9-targeting of long noncoding RNA genes" Liu Y, Liu Z, Cao Z, Wei W. Nat Biotechnol 2020-02-24
  • EONCODEコンソーシウムのコピー数データを改めて参照し、必須lncRNAs230種類のうち28種類がコピー数増幅領域に位置し、そのうち19種類が22番染色体上に位置していた。これらについてはコピー数増幅を介した偽陽性と認める。
  • K562細胞、HeLa細胞およびGM12878細胞で同定したコピー数増幅またはタンパク質コーディング領域との重なりについても再評価し、各ヒットごとの信頼性を議論した。
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