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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

13. Cas9 RNPにより同質遺伝子系ヒト初代骨髄細胞の効率的作出
[出典] "Efficient Generation of Isogenic Primary Human Myeloid Cells using CRISPR-Cas9 Ribonucleoproteins" Hiatt J, Cavero DA [..] Krogan NJ, Marson A. bioRxiv 2020-03-15.
  • CRISPR-Cas9によるヒト初代細胞のゲノム工学が急速に進展したが、その中で、ヒトの骨髄球系細胞は遅れをとっていた。UCSF, UC  Berkeleyなどの研究グループは今回、末梢血から精製したCD14陽性モノサイトに直接CRISPR-Cas9デリバリーする手法を、ヌクレオフェクションによって確立し、効率の良い高精度な遺伝子ノックアウトが可能なことを実証した。
  • 遺伝子編集を加えたモノサイトは、骨髄細胞分化と貪食作用の双方のマーカを維持しつつ、マクロファージまたは樹状細胞へと効率よく分化させることができる。
  • HIVの感染を抑制する宿主因子SAMHD1をノックアウトし、 HIV-1感染効率が50倍以上になったことで、機能ゲノミクスのツールとして有用であることを実証した。
  • この高速、柔軟およにスケーラブルなゲノム編集のプラットフォームは、免疫シグナル伝達、炎症、癌免疫学、宿主と病原体の相互作用などの遺伝学的研究、および、骨髄系細胞療法の研究開発に有用である。
14. [プロトコル] CRSIPR/Cas9によるヒトNK細胞の遺伝子編集
[出典] "CRISPR/Cas9-Based Gene Engineering of Human Natural Killer Cells: Protocols for Knockout and Readouts to Evaluate Their Efficacy" Lambert M [..] Carlsten M. In: Amarnath S. (eds) Innate Lymphoid Cells. MIMB 2020-03-09
  • Karolinska InstitutetとUniversity of Pennsylvaniaの研究グループの報告:NK細胞にdsDNAを誘導するプロトコルならびにノックアウトの効率と作用を評価するリードアウトを紹介し、リードアウトの長所短所をレビュー
15. マウスにおいて多様な筋萎縮の療法として、miR-29bを標的とするCRISPR/Cas9を評価
[出典] "CRISPR/Cas9 mediated miR-29b editing as a treatment of different types of muscle atrophy in mice" Li J, Wang L [..] Xiao J. Mol Ther 2020-03-10.
  • 腓腹筋または前脛骨筋に局所的にmiR-29bを標的とするCRISPR/Cas9システムを注入し、アンジオテンシンIIが誘導する筋萎縮、不活動化および脱神経が防止されることを確認した。
16. GWASから同定される数百の炎症性腸疾患 (IBD)関連遺伝子群のCRISPR/Cas9機能ゲノミクス
[出典] "CRISPR/Cas9-targeting of CD40 in hematopoietic stem cells limits immune activation mediated by anti-CD40" Wang R et al. PLoS One 2020-03-10
  • Abbvieの研究グループは表題の実現を目指して、CD45.2陽性のドナー・マウスからLin-Sca1+Kit+ cells (LSKs)としても知られる造血幹細胞 (HSCs)を分離し、CRISPR/Cas9による遺伝子編集を経て、致死的放射線照射したCD45.1マウスに移植し、免疫システム (脾臓、骨髄、血液、B細胞、T細胞)全体に遺伝子編集結果が及ぶモデルマウスを作出する手法を開発した (Fig. 1引用下図参照)。IBD
  • この手法の実証実験として、LSK細胞でCD40をノックアウトし、CD40アゴニストで誘導した大腸炎モデルマウスにおけるCD40遺伝子ノックアウトの作用を検証した。その結果、移植4ヶ月後には免疫システムにおいてCD40タンパク質のレベルが大きく減じる ( > 90%)ことを見出した。CD44についても同様の結果を得た。また、CD40のノックアウトが、先の大腸炎モデルマウスにおいて、症状を改善することも確認した。
17. 大腸癌の治療法として、超分子ポリマーによる変異KRASを標的とするCas9 RNPデリバリーを試行
[出典] "Genome editing of mutant KRAS through supramolecular polymer-mediated delivery of Cas9 ribonucleoprotein for colorectal cancer therapy" Wan T [..] Ping Y. J Control Release 2020-03-10
  • 中山大学, 浙江大学ならびにRice Universityの研究グループの報告:Cas9 RNPと相互作用しナノ複合体を形成する超分子ポリマー (Ad-SS-GD)を開発し、293T細胞と大腸癌細胞に対してナノ複合体をデリバリーすることで、細胞内でCas9 RNPがナノ複合体から遊離し、ゲノム編集活性を示すことをin vitroで確認した。
  • 次に、変異型KRASを標的とするRNPをヒアルロン酸で修飾したAd-SS-GD/RNPナノ複合体としてデリバリーすることで、腫瘍モデルマウスにおいて、腫瘍の増殖と転移を抑制することを実証した (模式図としてGraphical Abstract参照) 。
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