2020-04-14 更新 Nature Biotechnology論文へのリンクを追加
2020-03-18 bioRxiv 投稿準拠 初稿
[出典] "Directed Evolution of Adenine Base Editors with Increased Activity and Therapeutic Application" Gaudelli NM et albioRxiv 2020-03-16. > Nature Biotechnology 2020-04-13 [crisp_bio: 以下のテキストはbioRxiv版に準拠しています]

[ABE関連資料] crisp_bio 2020−03−18 crisp_bioコレクション: ABE
[参考crisp_bio記事] crisp_bio 2020-03-18 Liu DRとDoudna JAら、ABE7.10をABE8eへと進化 [注: 異なる指向性進化法による異なる観点からのABE7.10のバージョンアップ]

開発
  • 研究グループははじめに、ABE7.10に組み込まれたアデノシンデアミナーゼ変異体TadA*のオープンリーディングフレームに由来する各アミノ酸に対する全てのアミノ酸置換を加えた変異体ライブラリTadA*8を設計・化学合成した。
  • 続いて、ABE7.10の開発過程と同様に、微生物株を利用した指向性進化法を施した。ただし、宿主としてE. coi betas (New England Biolabs)を利用し、また、より厳しい条件 (3ヶ所でのA-to-G変換を実現)で変異体を選択するサイクルを繰り返すことで、40種類の新奇TadA変異体からなるABE8s (ABE8.8-m, ABE8.13-m, ABE8.17-m, ABE8.20-m, ABE8.8-d, ABE8.13-m, ABE8.17-d および ABE8.20-d)を同定した。
  • さらに、ABE8sを、HEK293T細胞の8ヶ所の多様な遺伝子座でテストし、特徴的な編集特性を帯びたABEsのコアセットを同定した。
特長
  • ABE8sは、ABE7.10では困難であったサイトでのA:T-to-G:C変換を実現し、また、ABE7.10の編集ウインドウの外での変換を実現した。
  • ABE8sは、NGG PAMサイトにおいては、プロトスペーサの上のA5-A7とA3-A4について、それぞれ、~ABE7.10の1.5倍と~3.2倍の編集効率を達成した。加えて、dCas9の変異体と組合わせて、非NGG PAMサイトにおいても、全体としてABE7.10の~4.2倍の編集効率を達成した。
  • ABE8sは、プラスミドではなくmRNAでデリバリーすることで、形質転換細胞やヒト初代細胞においてABE7.10に優る活性を示した:ABE8sは、ヒトCD34陽性細胞において、 γ-グロビン遺伝子HBG1/2のプロモーター領域でも活性を示し、胎児型ヘモグロビンの恒常的発現を実現した。この編集効率は60%に達した。
  • ABE8sはさらに、ヒト初代T細胞において初めて、3ヶ所の遺伝子座の同時塩基変換を実現した。この編集効率は98-99%に達し、CAR-T細胞療法への応用に期待を持たせた。
  • 臨床応用に重要なオフターゲット編集の観点から、先行研究においてオフターゲット抑制効果があるとされた変異を検証し、オンターゲット編集効率をほぼ損なうこと無く、オフターゲットを最も強く抑制するV106Wを同定・導入し、ABE8sをmRNAでデリバリーした場合、標的部位に拠らずゲノムワイドで無視できる程度までDNAについてもRNAについてもオフターゲットを抑制するに至った。
[2020-04-14] リツイートを以下に引用