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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

Cas12f1. クラス2 タイプV-Fに分類されている小型 (422–603 aa)のCRISPR-Cas12fファミリー10種類が5' T- またはCリッチなPAM配列を認識し、sgRNAに誘導されて標的dsDNAを切断し (Figure 1から引用した右図のCRISPR-Cas遺伝子座とエフェクタタンパク質の構成図を参照)、ファミリーの一部がE. coliを侵入dsDNAから保護することを同定した。また、標的ssDNA切断と同様に標的dsDNA切断が、ssDNAコラテラル切断活性を示すことも同定した。
[出典] "PAM recognition by miniature CRISPR–Cas12f nucleases triggers programmable double-stranded DNA target cleavage" Karvelis T, Bigelyte G, Young JK [..] Siksnys V (Vilnius University). Nucleic Acids Res 2020-04-04

[関連crsip_bio記事]
  • 2018-10-19 メタゲノムからssDNAをトランス切断するCas14ファミリーを発見しDETECTRへ展開
2. 組織特異的なmRNAやCRISR-Casシステムのデリバリーを実現するナノ粒子SORTを開発: 肺, 脾臓, 肝臓を標的とする脂質ナノ粒子を設計し、従来の脂質ナノ粒子に融合することで実現 (責任著者のツイッター引用下図参照)
[出典] "Selective organ targeting (SORT) nanoparticles for tissue-specific mRNA delivery and CRISPR–Cas gene editing" Cheng Q [..] Siegwart  DJ (U. Texas Southwestern Medical Center). Nat Nanotechnol 2020-04-06; NEWS & VIEWS "Natnotechnology for organ-tunable gene editing" van der Meel R. Nat Nanotechnol 2020-04-06.

3.  Pten, Trp53およびNf1を標的とするCRISPR/Cas9を子宮内エレクトロポレーションすることで作成した免疫応答性グリオブラストーマ (GBM)・モデルマウスによって、GBMに伴い痙攣発作の発生機序の解明が可能になった
[出典] "Pathogenesis of peritumoral hyperexcitability in an  CRISPR-based glioblastoma model" Hatcher A [..] Noebels JL (Baylor College of Medicine). J Clin Invest 2020-04-06

4. 岡山大学の奥舎有加らは今回、マウス大腸癌細胞株Colon26の高転移性亜株LuM1由来のEVsが、ムーンライティングタンパク質として知られるマトリックスメタロプロテアーゼ3 (MMP3)を高濃度に含み、MMP3が腫瘍細胞増殖、浸潤、転移を亢進することを、MMP3のCRISPR/Cas9によるノックアウト実験などにより、明らかにした。
[出典]https://dx.doi.org/10.3390/cancers12040881
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