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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

2022-04-09 Feng Zhangらが共同設立したProof Diagnoticsが,米国FDAにSTOPCovidに基づいたCRISPR-Dxシステムの緊急使用許可を申請した.このシステムは,18分でCOVID-19を正確に診断可能とされ,認可されれば,CRISPR技術により核酸を検出する初のポイントオブケア (POC)システムとして市場に出ることになる [出典] "Proof Diagnostics seeks EUA for CRISPR-based Covid-19 test from US FDA" NS Medical Devices 2022-04-082020-09-17 STOPCovid.v2 発表
CORRESPONDENCE "Detection of SARS-CoV-2 with SHERLOCK One-Pot Testing"NEJM 2020-09-16. "Ms. Joung and Mr. Ladha and Drs. Gootenberg, Abudayyeh, and Zhang contributed equally to this letter."
  • Alicyclobacillus acidiphilus Cas12b (AapCas12b)をベースとするSHERLOCK
  • 標的はN (ヌクレオカプシドタンパク質)遺伝子
  • ワンポット:
    鼻咽頭全体からのスワブを抽出バッファー (細胞溶解液と磁気ビーズを含む)に浸す - 磁場を加え磁気ビーズ精製/抽出バッファーを排出- STOPCovid.v2反応液を加える - 60℃で加熱 - ラテラルフローストリップまたは蛍光読み取り装置で検出]
  • 患者由来の陽性202例と陰性200例で検証:
     蛍光読み取り検出の場合の所要時間 < 1時間; 感度 93.1%; 特異度 98.5%; CDC RT-qPCR試験の30分の1のウイルス量まで検出 (100 コピー/検体; 33 コピー/ml); LoDはRT-qPCR C値40.3に相当
2020-05-08 Sherlock™ CRISPR SARS-CoV-2, FDAのEUA (緊急時使用許可)を獲得, CRISPR技術に基づく診断技術として初: "COVID-19 Test is First FDA-Authorized Use of CRISPR Technology" Sherlock Biosciences News 2020-05-07(ETS). [crisp_bio注] このニュースによると、今回EUAを獲得したキットは、CLIA認定ラボでの使用に限定され、検体は鼻腔/鼻咽頭/中咽頭拭い試料ならびに気管支肺胞洗浄液とされていることから、STOPモデルではないと思われる。
2020-05-06 初稿
[出典] "Point-of-care testing for COVID-19 using SHERLOCK diagnostics (v.20200505)" Joung J, Ladha A [..] Gootenberg JS, Abudayyeh OO, Zhang F;  Webサイト Point-of-careCOVID-19 testing with STOPCovid - A platform for testing anytime and anywhere;  "SHERLOCK-based one-step test provides rapid and sensitive Covid-19 detection" Lall S. MIT News 2020-05-05 [参考] "SHERLOCK-based one-step test provides rapid and sensitive COVID-19 detection" Lall S. Broad Institute News 2020-05-05
 地球規模に拡がったCOVID-19をコントロールしていくには、迅速なその場検査 (point of care test, POCT)キットが必要である。FDAはこれまでに、Abbott ID NOWCepheid GeneXpertを含む検査法に緊急時使用許可 (Emergency Use Authotization)を出したが、いずれも、専用で高価な装置と高度な技術者を必要とする。

 研究グループは、RT-PCRsによる検査を補完可能な検査方法としてSHERLOCK (Specific High Sensitivity Enzymatic Reporter UnLOCKing) を提案してきたが、今回、PCOTキットとして利用可能なバージョンであるSHERLOCKプラットフォームを開発し、"STOP (SHERLOCK Testing in One Pot)"として発表した。
  • STOPでは、RNAの抽出やチューブ間の移し替えの操作が不要である。鼻咽頭拭い液または唾液 [*]の溶解バッファー (QuickExtract™)を含むチューブへの注入、SHERLOCKに基づくウイルスRNA検出、および蛍光による読み出しの3ステップで進行する (Whitepaperの図を引用した下図上参照)。STOP2
    また、利用する器具も、生物医学系研究室にありふれた器具である (上図下参照)。
  • STOPではまた、RNA増幅に、試薬が入手しやすく、SHERLOCKで使用するCasタンパク質と相性が良いバッファーを調整可能なLAMP法を選択した上で、LAMPプライマー29セットを設計・評価し、SARS-CoV-2の核タンパク質をコードするN遺伝子を増幅するプライマー・セットを選択した。
  • さらに、Casタンパク質として、LAMPが稼働する高温でも活性を示すAlicyclobacillus acidiphilus Cas12b (AapCas12b)を採用し、CRISPRアレイを帯びていないAapCas12bに、相同性が高いAlicyclobacillus acidoterrestris Cas12b (AacCas12b)用のsgRNAを組合せた。プライマーとsgRNAsに加えて、反応液の成分も最適化することで、STOPに至った。
  • STOP検査 (STOPCovid)の感度はRT-qPCR検査と同等であり、唾液または鼻咽頭拭い液からの検出限界は ウイルスゲノム100コピーであった。所要時間は、検体を投与していから結果を読み出すまで、ラテラルフローを利用した場合で70分、蛍光を利用した場合で40分であった。
  • STOPCovidを鼻咽頭拭い液で評価したところ、12件の陽性と5件の陰性を正確に判定した。
[CRISPR技術によるSARS-CoV-2検出キッチ関連crisp_bio記事]
[* 唾液を検体とするSARS−CoV−2検査の投稿と論文]
  • "Saliva is more sensitive for SARS-CoV-2 detection in COVID-19 patients than nasopharyngeal swabs" Whllie A [..] Grubaugh ND, Ko AI. medRxiv 2020-04-22SALVA 1
  • "Saliva as a non-invasive specimen for detection of SARS-CoV-2" Williams E [..] Williamson DA. J Clin Microbiol 2020-04-21SALVA 2
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