[出典] "Pooled CRISPR screens with imaging on microraft arrays reveals stress granule-regulatory factors" Wheeler EC, Vu AQ [..] Yeo GW. Nat Methods 2020-05-11

 UCSDとU North Carolina at Chapel Hillの研究グループが、プール型sgRNAsライブラリに基づくCRISPR-Cas9スクリーンに、マイクロラフト (microraft)技術と、深層学習モデルに基づく自動化ハイコンテント・イメージング技術を組合せることで、RNA結合タンパク質 (RBP) の機能同定を実現し、この新手法をCRaft-ID (CRISPR-based microRaft followed by guide RNA IDentification)として報告した。
  • 20セットのマイクロラフト上で、RBSs (> 1,000)とアノテーションされている遺伝子群を標的とするsgRNAs (>12,000)ライブラリーに基づくプール型CRISPR-Cas9スクリーンにて、クローン細胞 (~ 5-20個)のコロニーを分離培養し、119,050種類のクローンに、ヒ酸ナトリウムでストレスを加え、共焦点顕微鏡に基づくハイコンテント・イメージングを介して、CRISPRノックアウトによってストレス顆粒レベルの低下をもたらしたsgRNA (ひいてはRBP)を同定した [原論文 Fig. 1: Microraft arrays enable the culture and stress granule quantification of thousands of clonal cells 参照]。
  • イメージ判定の自動化は、畳み込みニューラルネットワーク (CNN)モデルを構築することで実現した。
  • CRaft-IDによって、既知のストレス顆粒調節因子6種類を同定し、新たに、その欠損によってストレス顆粒レベルが低下する下RBSsを17種類同定した。
 CRaft-IDは、一細胞内の不均一なフェノタイプの解析が可能なことを実証した。これは、細胞増殖速度、細胞致死、蛍光レポータ、あるいはシングルセル・シーケンシングをリードアウトとしていたこれまでのプール型CRISPR-Casスクリーンでは実現できなかった成果である。

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マイクロラフト参考論文]