[出典] "Targets of T cell responses to SARS-CoV-2 coronavirus in humans with COVID-19 disease and unexposed individuals" Grifoni A [..] Crotty S, Sette A. Cell 2020-05-20.
La Jolla Institute for Immunology、UCSD、University of North Carolina School of Medicineならびに Icahn School of Medicine at Mount Sinaの研究グループは今回、軽度のCOVID-19から回復した20名からの血漿サンプルと、COVID-19が発生する以前の2015-2018年の間に採取された血漿サンプルにおける抗体応答とT細胞応答を比較解析した。
- HLAクラス IとII から予測されるペプチドの‘megapools’を利用して、SARS-CoV-2特異的CD4陽性およびCD8陽性のT細胞をアッセイし、それぞれ、20名全員と14名 (70%)に誘導されていたことを同定した。
- 開発中のワクチンの主たる標的であるSタンパクク質に対するT細胞応答が安定しており、また、抗-SARS-CoV-2 IgGとIgAの力価と相関していた。
- CD4陽性T細胞応答の11-27%はメンブレイン(M)タンパク質とヌクレオカプシド(N)タンパク質に対する応答であり、それに、nsp3, nsp4, ORF3a、およびORF8に対する応答が続いた。
- CD8陽性T細胞応答は、主としてSタンパク質とMタンパク質に対してであるが、その他少なくとも8種類のタンパク質への応答も含まれていた。
- 興味深いことに、SARS-CoV-2に曝露されたことがない健常人の~40-60%が、SARS-CoV-2に応答するCD4陽性T細胞を帯びており、風邪 ('common cold')コロナウイルスとSARS-CoV-2と交差反応するT細胞の存在が示唆された。
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