[出典] "A dual-deaminase CRISPR base editor enables concurrent adenine and cytosine editing" Grünewald J, Zhou R [..] Joung JK. Nat Biotechnol 2020-06-01.
[注] SPACEはCRISPR-Cas9-based synchronous programmable adenine and cytosine editorに由来する。
Massachusetts General Hospital/Harvard Medical SchoolのJ. Keith Joungが率いる研究グループは、先行研究において、RNAオフターゲット変換を最小限に留め、またTdA/TdA*からTdAを除去した小型のminiABEmax-V82G [1]を開発していた。
SPACEの構成
研究グループはminiABEmax-V82Gの特長を活かし、SpCas9 D10AのN末端に結合されていたアデノシン・デアミナーゼと、Target-AID [2]のシチジン・デアミナーゼを融合することから、標題共変換を可能とするBEの開発を始めた (Target-AIDのシチジンデアミナーゼはC末端に結合されていたことも好都合であった)。また、シトシン変換の純度を高めるためにBE4に倣ってUGIを2コピー導入した。
SPACEの構成
研究グループはminiABEmax-V82Gの特長を活かし、SpCas9 D10AのN末端に結合されていたアデノシン・デアミナーゼと、Target-AID [2]のシチジン・デアミナーゼを融合することから、標題共変換を可能とするBEの開発を始めた (Target-AIDのシチジンデアミナーゼはC末端に結合されていたことも好都合であった)。また、シトシン変換の純度を高めるためにBE4に倣ってUGIを2コピー導入した。
SPACEの性能評価
HEK293T細胞の28ヶ所の標的 (gRNAs)にて、miniABEmax-V82G、Target-AIDおよびそれらのミックスと比較した。
- A-to-G: miniABEmax-V82Gが変換した26ヶ所のうち25ヶ所; 変換効率は、miniABEmax-V82G (平均18.1%, 0.06–70.82%)に対して平均13.07% (平均13:07%, 0.03–71.33%)であった。
- C-to-T: Target-AIDが変換した28ヶ所全て; Target-AID (平均24.82%, 0.28–70.32%)に対して(平均22.13%, 0.3–69.98%)であった。
- SPACEの変換ウインドウは、miniABEmax-V82GとTarget-AIDよりも若干狭まり、A-to-GとC-to-Tの変換は、PAMに対する相対位置で主として4–7と2–7の位置で進行した。
- オンターゲットでの設計通りの変換とindels発生頻度については、SPACEはminiABEmax-V82GまたはTarget-AIDと同等であった。
- 単一のBEであるSPACEによる共変換の効率は、miniABEmax-V82GとTarget-AIDの共発現 (ミックス)による共変換効率を上回り、オンターゲットへの望ましくないindels誘導率では下回った。
- RNA-seq解析から、miniABEmax-V82GとTarget-AIDで実現されていたRNA変換の抑制がSPACEに継承されたことが示された。また、DNAオフターゲットについもアプリコンシーケンシングから、一体化に伴う悪化の傾向は見られなかった。
SPACEの応用
- 病因となる多重変異 (multi-nucleotide variants, MNV)の修復が容易になる (MNVで最も高頻度なヌクレオチドは、TG-to-CAと CA-to-TGである)。
- SPACEは従来のCBEとABEよりも塩基配列およびコドンの多様化に効果的であり、細胞系譜追跡、飽和突然変異誘発スクリーン、指向型進化、タンパク質工学あるいは転写因子結合サイト生成 [Extended Data Fig. 8参照]へと活用可能である
引用crisp_bio記事
- crisp_bio 2019-05-11 塩基編集ABE (A-to-G)とCBE (C-to-T)のRNAオフターゲット編集を抑制
- CRISPR関連文献メモ_2016/08/06 [第1項] Target-AID: 二本鎖DNA(dsDNA)切断とドナーDNA(テンプレート)を必要としない点変異導入法
共変換関連crisp_bio記事
- 2020-01-14 C-to-TとA-to-Gの共変換を実現するBE: STEME (イネ)
- 2020-06-03 C-to-TとA-to-Gの共変換を実現するBE: Target-ACEmax (ヒト細胞)
- 2020-06-03 C-to-TとA-to-Gの共変換を実現するBE: A&C-BEmax (ヒト細胞)
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