crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Mapping CRISPR spaceromes reveals vast host-specific viromes of prokaryotesShmakov SA [..] Koonin EV. Commun Biol 2020-06-22

 NCBIとInstitute of Molecular Genetics (モスクワ)の研究グループは、CRISPR-Cas獲得免疫機構において免疫記憶とされるCRISPRアレイ内のスペーサーの大多数がゲノムデータベースで公開されているプロトスペーサと一致しない"ダークマター"であることから、先行研究 に続いて[crisp_bio記事参照*]その起源を追跡した。
Spacerome
 研究グループは、特定の宿主ゲノム内の全てのスペーサー(spacerome) と、特定の宿主に感染する全ウイルス (viromes)のゲノムおよび宿主のゲノムの配列との間の一致をk-mersから見た [Fig. 1引用右図参照]。
  • スペーサーのほとんどが宿主特異的なviromes由来であり、宿主由来のスペーサは極めて限定的であった。
  • Viromesが由来するとされたウイルスの大多数は、これまでに同定されたウイルスの類縁である可能が性があるが、新奇であった。
 研究グループはタイプI-E CRISPR-Casシステムを帯びたE. coliへのT5ファージとλファージの感染・スペーサ獲得実験 [Fig. 4参照]も行い、in silicoの結果よりも自己ゲノムを標的とするスペーサーが多いことを見出し、in silicoの結果は、自己標的スペーサが進化の過程で排除されてきたことを示唆するとした。

[*] 関連crisp_bio記事
  • CRISPRメモ_2017/09/23 [第2項] CRISPRのスペース空間は、ほとんど種特異的モバイロームで埋め尽くされている
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