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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Core Hairpin Structure of SpCas9 sgRNA Functions in a Sequence-and Spatial Conformation-Dependent Manner" M Jiang, Y Ye, J Li. SLAS Technology 2020-06-03.

 北京大学の研究チームは今回、sgRNAスキャフォールドを改変することで、SpCas9-sgRNAの最適化を図れることを示した。
  • E. coliとHEK293T細胞において、sgRNA変異ライブラリーのメンバーとSpCas9の活性との関係を分析した。
  • はじめに、sgRNAを、スペーサー領域 (ガイド配列)、コア・ヘアピン構造、その他のヘアピン構造の3領域とみなした。ここで、コア・ヘアピンは、crRNAとtracrRNAで形作られる領域であり、ルート・ステム、内部ループおよびリーフ・ステムの3種類の二次構造で構成される。
  • E. coli、続いてHEK293T細胞にて、変異を導入したsgRNAsの効果を見ることから、コア・ヘアピンのルート・ステムが安定なワトソン・クリック型塩基対を形成し長さ6 bpが最適である一方で、リーフ側のステム構造はルーズで長さは可変であり、塩基組成も可変であること、を見出した。
  • リーフ・ステムの長さについては、野生型から短縮 (- 4bpまで)しても伸長 (1 ~ 20 bp)しても殆どの場合編集効率が向上した (4 bp伸長の場合に最も向上)。
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