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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "CRISPR-Mediated Non-Viral Site-Specific Gene Integration and Expression in T Cells: Protocol and Application for T-Cell Therapy" Odé Z [..] Krenciute G. Cancers 2020-06-26

 Figure 3St Jude Children’s Research Hospitalの研究グループは今回、ヒト初代T細胞のTRAC遺伝子座に長さ1278 bpの外来遺伝子 (IL-15とmClover3)をノックインするモデルで、相同組換修復 (HDR)過程を利用する標題プロトコル*の最適条件を同定した  [* ワークフローについて、Figure 3引用右図参照]。
  • 遺伝子ノックインに度々利用され、安全に安定したノックインが可能であることが示されてきたTRAC遺伝子座を標的とした。Table 1
  • HDR用ドナーDNA量およびT細胞数についてはノックイン効率とT細胞生存率の観点から最適値を設定したが、相同アームの長さ(100/200/300/400 bp)については有意差が見られなかった [実験条件のチェックリストについて、Table 1引用右図参照]
  • ノックイン効率26.7-54.6%を達成した。
  • 最適化プロトコルによって、TRAC遺伝子座へのCAR (キメラ抗原受容体)またはBiTE (Bispecific T cell engager/二重特異性T細胞誘導) のノックインを実証した。また、T細胞が活性化すると産物の分泌量が増加するIL-13遺伝子座にIL-15.E2A.mClover3をノックインし、IL-13のノックダウンとT細胞活性化に伴ってIL-15.E2A.mClover3の分泌量がコントロールの2.3倍になることを確認した。
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